正月も終わりだ。デパートなどは、正月の飾り付けをはずし始めていた。いよいよ仕事が始まる。

義姉から家内に電話があった。昨日は免疫療法で肩に注射を受けたそうだ。でも、担当の医者と上手くいっていないようで、義姉は怒っているそうだ。「医者は何も教えてくれない」と不満げだ。今までの医者は内科医で義姉に親切にいろいろと励ましてくれたそうだ。しかし、新しい婦人科の医者は寡黙な人でなかなか教えてくれない。

義姉の方から、検査の結果を聞くと、始めて「悪性の腫瘍だ」と教えてくれたそうだ。内科医はステージ2ぐらいではないか、と義姉に言ったのだが、「自分は専門家ではないので」と言って、婦人科の医者を新たに紹介してくれた。しかし、この医者がどうも頼りにならないと義姉は文句を言っている。

婦人科の医者は無表情でロボットみたいだと義姉は評していた。この医者からは、励ましの言葉はない。義姉が自分の食事はどの様にすればいいか、と尋ねると、「何でも食べてください、ただ、脂っこいものと甘すぎるものは避けてください」との簡単な答えだそうだ。

もっとも、義姉の思い込みがあるのかもしれない。元々の会話の復元は難しい。

婦人科の医者が義姉に何かを伝える。義姉は家内にそれを伝える。家内は私にそれを伝えるのである。まるで、伝言ゲームみたいで、元々の会話からかなり変容したのではないか。もともとの話はどうであったのか、見当が付かない。ただ、義姉が非常に不安に思っていることは間違いない。義姉の病はステージ2よりも悪いのかもしれない。


車を運転していたら、近江俊郎の懐かしい曲『南の薔薇』をラジオで聞いた。NHKは時々こんな古い曲を流す。昭和23年の曲だそうだ。これでは、私の生まれる前の曲だ。YouTube デコの曲を見つけたので貼り付ける。

(YouTube動画は著作権の問題があったので削除した)

映画「南の薔薇」は大映京都撮影所で製作されたので、近江俊郎のコンサート会場は京都の円山公園にある野外音楽堂(改装前)です。夜景シーンも「蓬莱」のネオンが見えるので、おそらく大阪ミナミ難波あたりでロケしたんでしょうね。

映像は近江俊郎さんなのに歌っているのは三鷹淳さん。

三鷹淳さんなんて知らない人だ。映画『南の薔薇』は、私の生まれた頃の映画で、その頃は白黒映画ばっかりだった。私が小学生の頃に、ようやく天然色の映画が出てきた。天然色の映画は非常に美しくて、始めて見たときは、あまりの素晴らしさに、口を開けて、ぽかーんとしていたに違いない。