ジャーナリストの山口敬之氏からレイプを受けたとして、検察審議会に審査を申し立てた女性が現れた。その女性は下の名前「詩織」を明かして、先日、記者会見で顔出しをして、再捜査を要求した。

山口敬之氏は、慶應義塾大学経済学部を卒業してから、TBSに入社して、数年前までワシントン支局長であった。現在はフリーのジャーナリストとして活躍をしている。安倍総理大臣に関する本を2冊ほど執筆しており、安倍総理大臣と親しい関係にあると言われている。

山口氏と詩織氏の間には何かがあったのだろう。当事者の間しか分からないこともあったと思う。それはこれから、検察審議会で検討される事項であり、次第に明らかになっていくだろうと思う。

自分が心配するのは、マスコミがこの件に関して、必ず「安倍首相」という言葉を枕詞にして使うことだ。

「安倍総理」べったり記者の「準強姦逮捕状」と言うタイトルを見る。安倍首相の写真も掲載されていて、一見すると、安倍総理が深くこの事件に関わったような印象を受ける。

山口氏が逮捕されなかったのは、安倍総理との交友関係を忖度した警察幹部が、この事件を握りつぶしたからだと印象操作をしている。

今、マスコミは、この事件は安倍総理が警察幹部に直接指示をしてうやむやにしたのではないか、と必死で情報の発掘を行っている段階だ。でも、まだ見つかっていない。印象操作をするには早すぎるのではないか。

森友学園、加計学園、山口敬之氏、と3つの事件とも安倍総理が黒幕にいて、大いなる不正を行った、それゆえに安倍内閣は退陣に値する、とマスコミは主張したがっている。

この騒ぎを見ていると、私は大いなる失望を感じる。マスコミは事実だけを伝えればいいのだ。印象操作などは必要ないので、淡々と事実を伝えるのでいいのだ。

マスコミ同士の足の引っ張り合い、たとえば文春と新潮の戦い、与党と野党の戦い、これらが複雑にからみあい、事実関係が分かりにくくなっている。だから「安倍総理、諸悪の根源説」が出てくると、大喜びで飛びつく人も出てくるのだろう。

野党の民進党は国会では、北朝鮮問題、年金問題、医療費の問題、少子化対策など、政党として一番大切なことに集中してほしい。老後破産の問題が深刻化しているのだ。多くの下流老人が誕生しようとしている。この問題に対する政府の政策をきちんと監視してほしい。