昔の広告を見ていると結構面白い。次のような広告は現代の人からすると信じられないかもしれない。

「せめて月に二回は髪を洗って下さい!」という内容だ。「汚れた髪は不衛生ばかりでなくて、他迷惑でございます」とは何だかおかしくなってしまう。

この頃の若い人は毎日風呂、少なくともシャワーを浴びるのではないか。自分の息子たちは大学生の頃、毎晩シャワーを浴びていた。おそらく髪も毎回シャンプーをしていたようだ。

若い女性になると毎日、しかも丁寧に髪を洗うことだと思う。髪についたゴミやフケを流したいと感じるのだろう。朝もシャワーを浴びることがあるのではないか。

私自身はと言うと、週に2、3回ぐらいシャワーを浴びて、シャンプーする。夏はやや回数が増えて、冬は逆に減る。とにかく平均すると週2、3回である。

人間は、週に何回、髪を洗うべきか正解はないだろう。シャンプー会社は毎日、朝と晩に毎日2回ほど洗うべきだと言うだろう。外見に無頓着な人は週に1回ぐらいでいいと言うかもしれない。

ただ、言えるのは、現代人は異常に多い回数髪を洗っているという事だ。確かに昔は、ノミやシラミが多かった。人々の衣服も汚れていた。でも、そんなものだと思っていたので、時に不潔だとは感じていなかった。それで、特に病気になったという記憶はない。

環境に与える影響を懸念する。膨大な水の消費、化学薬品を使うことによる下水の汚染、浄化するためのコスト、そんなことを考えると、毎日のシャンプーは、やりすぎでは無いか。

そんなことを息子たちに話したことがある。息子たちは、ただ笑って、それだけだった。

今は、シャンプー、リンス、ボディーソープなどいくつもある。昔は石鹸一個ですべて間に合わせたものだったが、現代では、使う溶剤も何種類もあって、まるで化学実験をしているようだ。

もっともっと清潔に、もっともっと美しく、もっともっと香ばしく、と際限がない。あと、何十年もすると、あの当時の人は、1日に一回しかシャンプーをしなかった、と笑い話になるかもしれない。昔は昔、今は今、未来は未来だ。