アメリカの健康保険制度
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昨年末と年初にアメリカ人の方と話をする機会があった。そこでアメリカの健康保険制度について教えてもらったので紹介したい。そして、日本との比較をしてみたい。

アメリカでは国民全員が入る健康保険制度はない。民間の健康保険制度に加入するかどうかは個人に任されている。お金がなければ保険には入らないで、病気になったときに医者に行き実費を払うだけだ。もちろん、そのときは請求金額が非常に高い。

また、日本では病院の費用はすべて点数化されているので、同じ治療を受けたならば、同じ費用を払うことになる。アメリカでは病院が値段を決めるので、安く上げようと思えば安い病院にゆくが、治療は、まあ、値段に応じた内容になる。

アメリカはとにかく自己責任の国である。保険に入るかどうかは自分の判断になる。保険に入らないで保険料を自分でためておき、病気になったらそれを使うというのも一つの方法である。日本のように、強制的な国民健康保険制度があれば、とにかく貧しくても何とか最低限の治療は受けられる。75歳以上になると、1割負担でいいのだ。(だが、将来は2割負担になると法律の改定が進んでいる)

私の家内が長男を出産したときは、婦長さんから2週間ほど入院しなさいと言われた。家内は長居したくないので、理由をつけて1週間ほどで退院した。アメリカ人の女性に、家内は出産時に2週間ほど入院する予定だったと話すと驚いていた。アメリカでは、入院費は高いので、すぐに退院するそうだ。午前中に出産したら、午後には退院することもあるそうだ。また、日本では出産育児一時金として42万円がいただけるが、アメリカにはそのような制度はない。

アメリカ人たちは日本の健康保険制度は素晴らしいと絶賛していた。私はそんなに素晴らしいとは思っていなかったが、国際比較すると、やはり素晴らしい制度のようだ。

日本では強制的な年金制度がある。アメリカはそのような強制的に年金の掛け金を取る制度はない。若いうちはいいが、年をとると強制的な年金制度がないことがやはりきいてくる。日本では生活保護制度がある。アメリカでも似たような制度があるが、シェルターに住む、大きな体育館のようなところに、簡易ベッドを並べてそこに寝泊まりをする。プライバシーはない。ドラッグを使う人もいるそうだ。そこを嫌って、ホームレスとして路上に寝泊まりする人も多い。シェルターよりも路上の方がはるかに安全との話もある。

私が話したアメリカ人たちは、アメリカにはホームレスが非常に多いと嘆いていた。豊かな国であるが、自己責任の国であるので、没落しても何ら救いの手が差し伸べられない。成功すれば途方もない金持ちになるが、そうでなければ底辺にとどまるしかない。

日本のように国民健康保険、雇用保険、介護保険、生活保護などの諸制度があって、人を救い上げるソーシャルネットがある制度はありがたい。でも、近年は、国力が落ちてきて、高齢者が増えてきたので、いつまでこの制度が持続できるか分からない。個人としては、できるだけ生活防衛をしていくだけだ。

Leroy_Skalstad / Pixabay