我々はコウノトリが子どもを運んでくるという伝説を知っている。人々は、コウノトリは赤児の守り神というイメージを持っていた。しかし、現実はもっと厳しいようである。

YouTube を見ていたら、コウノトリが三羽のヒナのうちから、もっとも弱々しいヒナを殺して食べてしまう動画があった。見ていて気持ちがいいのもではない。それは以下の動画である。ベルギーのBlack Stork (黒いコウノトリ)である。

鳥の雛殺しという動画はYouTube にたくさんある。解説によれば、食料が限られている中で、弱いヒナを早い段階で選択して排除して、健康で大きなヒナが生き残るチャンスを増やすという、自然の行動だ。

弱いヒナとは、たくさん生まれた卵の中で、孵化するのが一番遅かったものである。それは一番小さくて弱々しい。摂食行動もおぼつかないから、年長のヒナと比べて成長が遅れがちになる。ある段階で、親鳥は弱いヒナの子育てを見限ってしまうのだ。それは、この種族全体の生き残こりという視点からは、一番合理的な方法なのである。

なお、鳥は常に外敵にさらされるので、できるだけ早く孵化して、できるだけ早く巣立ちをする必要がある。何百万年もの間、ヒナはできるだけ早く早く成長という進化の圧力がかかってきたので、今では数週間のうちに巣立ちをする。成長の遅いヒナは排除されるのだ。

なお、兄弟・姉妹でも殺し合いをする。これは餌が豊富でない時のようだ。下の動画は二羽のヒナだが、大きなヒナ、わずか数日ほど早く孵化したヒナであるが、小さなヒナを突っついて殺そうとしている。親鳥はウサギを捕まえて餌を持ってこようとするが、失敗する。後ほど、親鳥は何とか他の餌を持ってきて、大きなヒナの関心を引こうとするが、大きなヒナは小さなヒナへの攻撃をやめない。遂には小さなヒナは息絶える。

動物の世界では、互いに食べあう。それは同じ種族内でも起こるし、家族内でも起こるのだ。限られた食料を取り合う場合は、自然界を見るのはとても辛い。これは、人間界でも起こることだ。兄弟同士の喧嘩、親子の喧嘩、親の贔屓もある。でも、自然界ほどひどくはないのだが。以下の記事も参照のこと。