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お盆にかけて暇に任せて無料の漫画をたくさん読んでみた。シーモアの読み放題の会員になると月に700円ほどでたくさんの漫画が読める。もちろん、会費を払っているので、厳密には無料というわけではないが。
漫画だが、あらすじとパターンは同じだが、時によってはとてもユニークな内容の漫画もある。これだけ、たくさんの漫画家が競争が厳しいと漫画家たちもどうやって自分の独自性をだすか迷うことだと思う。
昨日の夜は、柳沢きみお『七百三十夜』を読んでみた。38歳の中年の主人公(吉永明男)が美女たちとの恋愛をもとに、酒を飲みながら、美術品をコメントして、人生哲学を語るという内容だ。いろいろな魅力的な女性が登場してきて、読むのは楽しかった。
自分のように70歳が近い人間からすると38歳なんて若すぎると思うのだが、この漫画での主人公は常に死を意識している、その意味では老熟した世界観で、高齢者が読んでも楽しめる漫画かもしれない。
柳沢きみおの漫画の特徴だが、美女たちが次から次と現れて、主人公と恋に陥る。非現実的だが、要はエンターテインメントであり、読者を楽しませるのだから特に問題はない。
この漫画は徹頭徹尾、男性を読者としている。つまり、女性の読者を対象にしていない。そのために女性読者からは反発がでている。レビューを読んでみても、女性からは酷評である。まず、家庭を顧みることがない。奥さんの気持ちへの配慮がゼロに等しい、などのコメントだ。
既婚者の女性が読者ならば、男性の勝手な行動に呆れ果ててしまうだろう。要は男性読者のための漫画であり、男性が喜ぶ要素が詰め込まれていると理解してほしい。
登場人物の女性はみんな若くて美人である。現実世界では、そうでない女性の方が多い。レビューしている女性たちは、大半が若くて美人という範疇に当てはまらない人たちであろう。主人公の奥さんに感情移入してしまう。奥さんは地味で主人公からは無視されて、もう若くはない。そんな点も同情を受けるのだ。女性読者たちは、主人公の身勝手さに怒りとイライラを感じる。
男性からも女性からも高い評価を受ける漫画は少ないと思う。女性漫画の恋愛描写は細かすぎると思う。相互の心のやりとりが丹念に描写される。そんな描写は男性の読者は敬遠してしまう。
この2か月ほど無料漫画を読んできた。本屋に行くと毎月新しいコミックが出てくる。漫画家は、好きで描いているのだろうが、それでもこの過当競争を考えると、その世界、恐ろしくなる。
無料漫画はとにかく楽しまさせてもらったが、ちょっと飽きてきた。次は、娯楽小説を読んでみようかな。