昨年末より、ずっと右の奥歯が痛い。歯医者に何回か行っているが治癒しない。歯医者からの薬(抗生物質)を塗っているが一向に回復しない。時々は、歯を抜いたら、この痛みはなくなるかと思ったりする。

月曜日に行ったときは、歯医者は「ぐらぐらしますね、固定するといいかもしれません。でも、横にある歯もぐらぐらしているので、固定するとなると大掛かりになるでしょう」と言っていた。つまり、ブリッジをかませるということだろうな。私としては、もう歯を抜いてもらった方がいい気もする。でも、いままで保持してきた歯が一本でも欠けるのは嫌な気分だ。

たとえると、自分は今までは「老い」という洪水を抑えてきた。いままでは特に大きな病気はしていない。まあ、健康体であった。自分の体を堤防にたとえるといいのだ。でも、一本でも歯を欠けると、その堤防に小さな穴が開いたように感じる。そして、そこから一挙に老化という洪水があふれ出てきて、私の体を破壊してしまう。つまり、この一本の歯は死守すべき最後の砦なのだ。

とにかく、近頃は、食べ物がおいしく味わうことができない。噛むのが恐る恐るになってしまう。硬いものは左側の歯で噛むようになってきた。昔は、10年ぐらい前までは、歯は健康そのもので、2か月に一回ほど歯医者に行って歯の掃除をしてもらうだけであった。飲み食いを大いに楽しんだ。

でも、これからは一本一本欠けてゆき、ついには入れ歯、そして総入れ歯になるのだろうと思うと、気が滅入ってくる。

andremsantana / Pixabay