2015-11-24

私が中学生から高校生の頃にかけての時代は、日本の流行歌が全盛期を迎えた時代だと思う。今の若い人からは、スローテンポ過ぎてついていけないと苦情が来るかもしれない。それくらい、メロディーの美しさ、歌詞の爽やかさが重視されたのである。

その頃、男性の歌手では御三家といわれた、舟木一夫、西郷輝彦、橋幸夫、それに加えて三田明などがいつもヒットパレードの上位陣であった。ところで、若い頃は横並びであったとしても、40年ほど経つと人気に相当の差が出てくる。この点が面白いと思う。中年、老年になってからもファンから慕われるのは誰であろうか。

この4人がどの程度Google検索されたのか、あるツールを使って調べると次のようになる。

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全体としては、舟木一夫が一番キーワードの検索率が高いことがわかる。

学園ソングと言われている多くの青春歌謡があるゆえに、年取ったファンからも昔を懐かしむ気持ちとともによく検索されるのだろうと推察する。

個人的には自分は三田明などは好きだった。『僕のそばには君がいる』『美しい十代』などは、中学生の頃に憧れたクラスメートの女の子などが思い出されて胸がジーンとくる。曲が素晴らしいというよりも、その時代の自分を思い出させてくれる点がいいのだ。しかし、三田明をテレビで見ることはほとんどない。

10代であった自分、中学校や高校のクラス仲間などが連想される歌があると懐かしい。その当時に中学生や高校生であった自分を思い出させる曲ほど、歳をとれば思い出されるのだ。

4名の中で、舟木一夫が一番検索されているのは、それは彼の人生がかなり苦難に満ちたものであるから、それだけファンの同情を引くからでもあろう。「色男、金と力はなかりけり」という諺があるが、何となく彼のためにできた諺のようにも思える。(橋幸夫は実業家として成功して金持ちになっているので、別の世界の人になったという印象を受けてしまう)

舟木一夫は事業に失敗した父親の元で、極貧時代を過ごし、そして父が女を次から次と変えていくので、かれは9人の母親を経験したという。幼少の頃の恵まれなかった生活。そして歌手として成功する。それから不遇時代に何度かの自殺未遂。線の細い人なのかなという印象を受ける。しかし、ある程度歳を取ってからは、彼は見事復活を果たしたのである。人間の波乱万丈な人生を圧縮して見せてくれる。

舟木一夫の掲示板を見てみる。いろいろな掲示板がある。それぞれがファンが活発な情報交換をしている。これは舟木一夫が現在も現役として公演などのスケジュールをこなしているからであろう。かれの場合は、ファンの層の厚さを感じる。中高年となったファンたちからの熱心な応援が彼を生かしているのである。

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優男