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昨年の今頃に前の勤め先を定年退職した。それと同時にいろいろな集まりからも退会した。そのために、メールの数はかなり減った。メールが減ることはストレスが減ることにもなる。
今まではある会合に参加を要請されたりすると、それも強く要請されたりすると、断るのに一苦労だった。しぶしぶ義務感から出席したこともある。昨年は北陸に住んでいた伯母の旦那さんの何回忌かの集まりに招待されたが、それも辞退した。
まず、金がないし、旅行の準備をするのも面倒くさい。だんだんと引きこもり的になってきた。無理して愛想笑をして、美味しくもないお酒を互いに注ぎあって、お世辞を言い合う。そんな世界からは縁を切りつつあるのだ。もう、すべて不義理をしていい年齢になったのではないか。
ただ、自分は嘱託の仕事をしている。そのために、ある程度の社交は続けている。それも最低限のことだ。嘱託なので、人からは自分は軽く見られている。他人から軽く見られると怒る人もいるが、自分は気楽でいいなと返って嬉しい。
ところで、自分は記憶がますます弱くなってきた。先般、東京都知事であった石原元知事の下の名前は何であったかな、と考えた。フルネームが分からなくなったのだ。確か、弟が石原裕次郎であったので、兄貴ならば、〜太郎、という名前だったろうと推測はできたのだが、その〜の部分が思い出せない。健太郎か裕太郎かな、と、半日ほど経ってから、ようやく慎太郎という名前を思い出した。
新聞も読まない。テレビも見ない。外の世界のことにはほとんど関心がなくなってきた。ちょっと心配なのは、アメリカが北朝鮮の核施設やミサイル発射基地を攻撃して、北の若い指導者が破れかぶれになって、日本にもミサイルを撃ち込むなどということがあるのではないか。そんなことぐらいだ、心配なのは。
外界に関する関心の著しい低下、同時に記憶力の低下。引きこもり願望がますます強まってくる。