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先日、家内はカツラを買った。そのことは、4月9日の記事に述べてある。家内はそのカツラを非常に気に入ったようで、鏡を見ては「若く見える」と喜んでいた。確かに、家内はかなり若く見えるようになった。
ところが、この頃は「カツラをつけると頭が痒い」と言い出した。だんだんと気温が暖かくなってきたので、汗をかくことが増えてきた。それで痒く感じることが増えてきたのかもしれない。
また、カツラの髪は長いので、暑い夏には暑苦しく感じる。お店の人は「自分で切って短くすることもできる」と言っていたが、一回切ってしまうと、今度は寒い冬に困ってしまう。
昨日の買い物には家内はカツラをつけなかったそうだ。カツラ離れがはじまったのかもしれない。
カツラを購入した当初は、大喜びで、数日は、鏡に向かってどうのように着用したら若く見えるか研究をしていた。また、留めピンで留める位置はどこがいいのか、試行錯誤していた。留めピンを使うので、風の日でもカツラが飛んでいくことはないようだ。
家内がカツラをつけないで、そして白髪染めをしないでいると、生え際が真っ白になって来た場合など、かなり異様な感じがする。家内の髪は薄いので、髪が貧弱に見える。年相応に見えるのだ。
このカツラは4万8千円で購入した。全部、人工の髪である。合成繊維のアクリルから作られたようだ。安いカツラなのだ。
先日、家内が買うか迷った16万円の高級カツラだが、それの髪は半分は本物の人間の髪である。
家内は16万円のカツラだったならば、痒くないのではと考えているようだ。どうも16万円のカツラを買おうと考えているようだ。
今の我が家は財政的には毎月が火の車だ。家内が16万円のカツラをローンで購入したりしたら大変だ。そんなことで、私は家内が現在の4万8千円のカツラを着用したときは、できるだけ褒めるようにしている。
「若く見える」とか「ちょっとエレガントな雰囲気になった」という言葉を私は連発している。すると家内は「このカツラでいいかな」とか「このカツラひとつでいいや」という気持ちになっていくようだ。