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よく金を持っている男はモテると言われる。でも、それはお金自体が魅力なのではなくて、大金を稼ぎだす男の能力、生き残り能力の高さに女性は惹かれるのだ。
宝くじで一億円当たった男よりも、自分の力で一億円を稼ぎ出す男に、女性はより強く惹かれる。いくら稼ぎ出すのか、それが男の魅力になる。言ってみれば給料袋は男の通知表である。
原始時代から同じことであったろう。たくさん、獲物を捕まえてくる男に女性は引かれた。獲物をたくさん捕まえる男は、大柄で筋肉モリモリとは限らない。頭を使って狩をする男もいただろう。獲物の通り道に罠を仕掛けたり、動物の習性を知り尽くして、巧みに獲物を捕まえる男も女性に人気があったろう。捕まえる獲物の数がその当時の男の通知表であった。
さて、逆に、どんな女性が男にモテたのか。男の子供をきちんと育ててくれる女性に惹かれたろう。生殖能力のなくなった女性や乳の出の悪そうな女性は男から敬遠されたようだ。
ただ、男にとって生まれた子供が自分の子供であるという保証は欲しい。自分が生むわけではないのだから、その子が自分の子であるという絶対的な保証は得られない。得られるのは蓋然的な保証だけである。妻が貞節であればあるほど、産んだ子が自分の子供である確率は高まる。よって、女性の美徳として、古来から貞節は称えられたのである。
さて、定年退職した男であるが、もう自力で稼ぐことはできない。社会から年金というおこぼれをもらって細々と生きていくのである。途端に男の魅力は減少する。それゆえに、年金だけに頼らずに、プラスアルファとして、相変わらず金を稼ぐ男は女性には魅力的である。
金を稼ぎ出すだけの体力と知力があることのアピールに女性は弱いはずだ。そう言い聞かせて、自分はもう少し嘱託の仕事で働くことにする。