上杉可南子『さぁ、ラブの時間です!』を読んでみた。
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土曜日・日曜日はネットで漫画を読んでみた。いろいろと面白い漫画があった。ここでは、女性漫画の上杉可南子『さぁ、ラブの時間です!』と青年漫画の柳沢きみお『DINO』が面白かったので比較して論じてみたい。共にありそうもない話だが、これらは漫画だからと割り切って読まないといけない。

前者『さぁ、ラブの時間です!』では、小川瑞木というフリーの雑誌記者が金融庁の超エリートである酒盛はじめにインタビューするところから、二人は恋に陥り最終的には結ばれるというハッピーエンドまでのお話である。途中で、南部小夜子という恋敵が現れて、それで話が複雑化する。この南部小夜子という女性は、策士で酒盛はじめというエリートを手に入れるためには、様々な行動をするという女性である。

作品のレビューを読むと南部小夜子に関しての女性からの評判は良くない。南部小夜子という恋敵の存在にイライラさせられたとか、天罰が下ればという意見がレビューにはあふれている。

しかし、私は、この作品では、ダーク・ヒローインの南部小夜子という女性に一番共鳴した。つまり、エリートと結婚するために、手練手管を使って、行動するという、そのバイタリティが羨ましい。そして、利用できるものはすべて利用する。母に弁当を作ってもらいながらも、自分が料理上手のふりをする。状況がへんかする際の、とっさの判断力も素晴らしい。策士であるが、なかなかのキャラクターであると思う。

この女性は、『DINO』の主人公の菱井ディーノと比較することができる。ディーノは、父の復讐をするために、ある大手のデパートに入社して、自分の父を裏切った重役たちを次々と陥れてゆく。この話には、恋愛の話も出てくるが、登場する女性たちはすべて主人公が復讐という目的をとげるための手段でしかありえない。主人公と女性たちの恋愛は、細かい心理的な描写はなくて、すぐに肉体的な関係になって、主人公に従順な奴隷のような存在になってしまう。このあたり、男性の漫画家は女性の心理を描くのは荒っぽい、つまり、細かい心理の動きは無視されているとも感じる。

南部小夜子とディーノの目的を得るためには手段を択ばない生き方、私のようなただただ平凡な生き方をしてきた人間は、こんな生き方がしてみたいと空想、妄想したりするだけだ。強い意志を持って目的へと進んでゆく人物には、敬服してしまう。