2015-08-02

今日も暑い日であった。私は京都に住んでいる。京都は盆地であるので、夏は暑くて、冬は寒いとよく言われる。確かにそのようにも感じる。ただ、自分は主に住宅街を歩いて通勤するのであり、軽装であり、適度に公園や日陰があるので、なんとか一息をつけながら仕事場まで行き着くことはできる。

東京のサラリーマンたちはどうだろか。アスファルトに覆われた道路、太陽の照り返しの激しい中、ネクタイをして背広を着て通勤先に向かって黙々と歩く。これは40年前の自分の姿であった。

40年前を振り返ると、よくあんな生活ができたと感心する。また、通勤電車の混み具合。身動きがとれない。ぎゅうぎゅうで本を読むこともできない。ただただ、目的地までの小一時間を我慢する。

駅から勤務先まで更に10分あまり歩く。東京の夏も暑かった。汗だくだくで、会社に到着すると冷房が効いているので、ひんやりとするので気持ちが良かったことを思い出す。

そんな生活を逃げ出して、転職したのだ。転職時には、それはそれで一悶着があった。が、結果としては、その時の決断のおかげで、その後の40年間はかなり自分で納得のいく人生を送ることができた。夏の暑い日に満員電車に揺られ、背広にネクタイをして、ビルの谷間を黙々と会社に向かって歩くということは2度となかった。ただ、今になると、そんな日が懐かしくなる。若くて元気だった自分、長い通勤距離でもすぐに回復した自分、会社の帰りはよく同僚と酒を飲んで勝手なことを言い合った自分、今のこの歳になると全てが懐かしくなる。

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