電通で若い女性が自殺をした。
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昨日今日と暖かい日であった。先週はやや寒かったが、なんだか暑さが戻ってきたような感じだ。ところで最近気になったのは、電通で東大卒の若い女性が自殺した事件があった。この女性は努力家で、母子家庭に育ち塾にもいかず努力して大学に入ったそうだ。

そして、電通に入社してから膨大な残業時間、月に100時間を超える残業時間を働き、ついに電通の女子寮の4階から飛び降りて自殺したのだ。母子家庭とのこと、お母様の気落ち、悲しみ、また電通への怒りは激しいものであることは理解できる。

私も若いころ会社員だった。遅くまで残業が続く部署にいたこともある。そのころは今と違って残業といっても、みんなが残るから残業をするという感じだった。早く帰る人間はなんとなく、仕事に熱心でないという印象を与える。それを避けるために、みんなは7時ぐらいまでは事務所に残って何かをしていた。

工場ならば残業時間はきちんとタイムカードで管理される。そして残業手当が付く(正確に言うと、付くはずだ)。事務系の仕事は多くの場合、裁量時間制で残業代はつかない。どうしてもサービス残業が多くなる。会社によっては、ノー残業デーを決めているところもある。

私は会社員を辞めたのは、自分が今しているのは自分を成長させる仕事ではない、と感じたからである。自分の成長には関係ない仕事と分かってからは、残業も嫌々やっていた。残業が多くなってくるとバカバカしくなって、適当な時期に辞めようと考えて、数年後には転職した。

この若い女性の場合は、仕事は結構面白かったのではないか。電通の仕事は自分を成長させる仕事であると感じて、やりがいを感じたのではないか。だんだんとのめり込んで行き、膨大な仕事を抱えてしまう。疲労が蓄積されても転職という選択肢はない。

睡眠不足となり、頭がボーツとしてしまう。正常な判断ができなくなる。周りから見れば、会社を辞めればいいのではと思うが、そのような正常な思考ができなくなるほど疲れ切ってしまう。電通は有名な会社であり、給料もいい会社だ。その点でも、転職という選択肢は選びづらい。

今の時代は経費削減が叫ばれて、一人で複数の人間のする仕事を抱えることも多い。しかも、有能な人には次から次と仕事がやってくる。真面目に全部引き受けていたら大変なことになるだろう。

自分は会社員を辞めてから、別の仕事についた。会社員時代と比較すれば時間の余裕はある。何よりもいいのは、仕事の質が変わったことだ。自分を成長させてくれる仕事をしているという実感を得られるようになった。現在は定年退職して、年金暮らしプラス嘱託の仕事をしている。嘱託の仕事は結構忙しいが、それでも電通の若い女性と比べればはるかに少ない量だと思う。

自分は、この女性のお母様の気持ちを推し量って、気の毒に思う。大切な娘を失って、その絶望はきわめて深いことだろう。

母と娘
母と娘