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自分の顔を鏡で見る。ほとんど白髪である。昔は自分は父親とはそんなに似ているとは思っていなかったが、年をとると父親の顔に似てきた。亡父の面影が出てきたのでちょっと驚く。若い頃は親には全然似ていなかったのだが、年をとってくると親に似てくるという話しはよく聞く。この前は妹から、「兄さんの話し方は、お父さんの話し方に似てきたね」と言われた。そんなものかと、これまた意外なことである。
さて、顔を見るだけでなくて、首を見ると、皺(しわ)だらけである。老人の皺はなぜできるのだろうか。皮膚のつやがなくなり、皮膚の皮が余ってきたからか。
ネットで調べると、「首のしわは早めの対策が大事!首にしわができる原因とお手入れ方法」とあって、クリームを塗って、マッサージをするといいそうだ。しかし、上の写真の老人などは、どうクリームを塗っても、マッサージをしても難しいように感じる(手遅れか!)。私の顔もこの老人と同じくらいの首のしわだ。ただ、顔はもう少しは若々しい。
お化粧などである程度は若作りはできる。しかし、三箇所はどうしても隠せない場所がある。それはまず、首のしわである。二番目は、手の甲のしわである。子どもたちが私の手の甲と自分の甲を並べて比較して、「お父さんはすごい皺があるね」と笑う。家内とも比較しても、圧倒的に私の皺が深くて多い。
それから、三番目は歯と歯の間隔である。年をとると、歯茎がやせ衰えて隙間がでてくる。そこに食べかすがたまりやすくなる。若作りをしている俳優さんでも、テレビなどでもアップになって、笑ったりすると歯茎が弱っているのが分かる。歯を見れば、年齢がすぐに分かってしまう。
むかし、馬を市場で売買するときは、売り手は毛並みをそろえて若々しく見せたのだ。でも、買い手は馬の口を開けさせて、歯茎のやせ具合から正確な年齢を読み取ったのだ。まさしく馬齢を重ねた馬は敬遠されるのだ。
そもそも、歯と年齢は深く関係する。「齢」という漢字を見れば、「歯」と「齢」の関係は一目瞭然である。
自分の母は早くして総入れ歯になった。自分の歯の格好は母親と似ているといわれているが、自分は歯医者に定期的に通って手入れをしてもらっている。また朝晩は、できれば昼飯後も歯を磨いている。そのために、この年、60代の半ばでも、ほとんどの歯が残っている。これからも歯は大事にしたい。
しかし、首のしわであるが、これはどうしようもない。60年以上も生きてきた勲章だと思って、甘んじて受け入れるしかないだろう。