自分が老いたなと感じることがある。実は、今だに自分の住所の郵便番号が覚えられないのである。

今までに何回もハガキや手紙を書いた。そして数々の申込書に住所を書いて申し込んだ。そのたびに、郵便番号を書きいれた。でも、手帳を見ながら書きいれたのである。

大事な番号なので、もう記憶してもいいかと思う。でも記憶できないのだ。不思議だ。若い頃の住所の郵便番号はまだ覚えているのに、今現在の住所の郵便番号が覚えられないのだ。

これは、自分はあと数年でこの地を去るという意識があるからかもしれない。完全に退職したら、故郷に戻る予定だ。現住所は、それまでの仮の住まいと考えている。その意味で、現住所に愛着を感じないのかもしれない。でも、、、

何だか、怖い。自分の記憶力がこんな感じで衰えてゆくのかと思うと。

今までは身体的には衰えは意識してきた。顔にシミが増えてきたこと。階段の上り下りが億劫になってきたこと、などで老は自覚している。頭の毛もかなり薄くなってきた。髪を洗うたびに、たくさんの抜け毛が目立つようになってきたことも、老いを意識させるものだ。

でも、頭脳面では、そんなに衰えは意識してなかった。でも、郵便番号のような重要な数字でさえも自然に覚えられないなんて、

老いは静かに、しかし着実とやってくる。

7739 / Pixabay