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弘田三枝子が亡くなった。73歳であった。自分にとってはとても懐かしい歌手である。初めは、ぽっちゃりとした愛らしい顔の少女で、アメリカのポップスなどを歌っていた。いつの間にかテレビの画面から姿が消えた、と思っていたら、劇的な復帰を遂げた。
1969年に『人形の家』で復活を遂げたのである。ただ、顔がかなり変わった。ぽっちゃり形のかわいい少女というイメージから、大人の雰囲気の神秘的な美女へと変貌したのである。顎がすっきりして、鼻が高くなり、そして、目が大きくなった。整形手術をしたそうだ。彼女の場合は、整形手術は大成功をおさめたと言っていいだろう。
彼女の『人形の家』を聴いてみると、声は昔と変わらないが、雰囲気だけ神秘的になった。こんな彼女と、大人との恋をしたいと願う男性も多くいただろう。
Youtube を見てみると、歌の巧妙さ、妖艶な美しさ、彼女の魅力を十二分に示している。彼女は、後日、スキャンダルを引き起こす。1977年1月25日に、自宅マンションのエントランスで背中を3か所刺される事件が起きた。バンドマンの男性と不倫に陥り、その妻から刺されたのだ。妻子ある男性と恋に陥り、その妻から背中を刺される、これは大スキャンダルになった。
彼女は30歳の時の出来事だ。一人の男性を好きになり、どうにもコントロールできなくなった。これは、いい悪いという道徳では片付けられないことだろうと思う。現代は、結婚という制度があるが、男女の仲は、その制度を乗り越えてしまうことがある。道をはずす、つまり不倫なのだが、不倫をしてしまうのは、男女のどうしようもない引きあう力だとも言えよう。