宮崎あおい、という女優のことがちょっと気になっている。『神様のカルテ』で、櫻井翔の奥さん役をしている姿を見ていたら、静かだが内面はしっかりとした何かを持っている様子が魅力的だと思った。いつも静かだがしっかり者で、ひそやかに情熱を燃やす姿は素晴らしい。もちろん、これは役の上での話で、本当の姿は分からないのだが。
『舟を編む』の主人公の松田龍平の妻としても名演技をしている。『天地明察』では、岡田准一の妻の役を演じている。それぞれ、控えめな、だがしっかりと夫を支える役は好感が持てるものだった。だが、佐藤健の恋人役を演じた『世界から猫が消えたなら』では、あまり恋人としての活躍の場は与えられなかったが。
日本人の抱く理想の妻像、つまり控えめでありながら、しっかり者で夫を支える、けなげな妻、にぴったりと当てはまるのだ。もちろん、これは所属する芸能事務所の方針であろう。奔放に生きるじゃじゃ馬みたいな役がオファーされたら、断るのだろうと思う。
ところで、私は長らく宮崎あおい、と二階堂ふみの区別がつかなかった。両者が同じ女優に見えていた。でも二階堂ふみは、映画では、やや暴れ馬のような役割が与えられるので、段々と見分けがつくようになってきた。とにかく、二人とも演技の上手が女優さんなので、これからも活躍してほしい。