『神様のカルテ2』を見た。これは『神様のカルテ』の続編だが、こちらの方がおもしろいかな。主軸になるのは、櫻井翔とその妻である宮崎あおいのカップル、櫻井の上司である柄本明とその妻(名前は分からない)のカップル、そして転勤してきた藤原竜也とその妻の吹石一恵のカップルである。藤原竜也は腕が立つのだが、なぜか患者に向かい合おうとせずに残業をしない。勤務時間が終わるとすぐに帰ってしまう。そんなことで、スタッフの間では評判が悪い。しかし、後ほどそれは子どもを保育園に迎えるために必要なことであることが分かった。

藤原竜也の妻である吹石一恵も医者であるが、休暇を取ったあるときに白血病の子どもの容態が急変してそのことを親に責められて、それ以降は病院に泊まり込みで仕事に専念するようになる。このあたり、見ていた違和感をいだいてしまう。医者は聖職者ではない。勤務時間を越えて働くのは家族を犠牲にすることであるから褒められることではない。たまにそのようなことがあってもいいかもしれないが、残業が慢性化している職場は上司の責任であり、採用人数を増やして、ひとりあたりの負担が増えないようにすべきである、と私は考える。

献身的に働くことはたしかに美徳であるが、やり過ぎはよくないと思う。そんなことで、この映画自体に流れる患者への異様なまでのより添いは、自分の心には訴えなかった。

この映画で唯一感動したのは、柄本明を屋上に連れて行き、そこで明かりを消して、満点の星空を見せたことだ。都会に住んでいると、星を見ることがなくなる。星を見ること、少年の頃に無心に夜空を眺めたことを思い出して、その点は感動した。その点で、この映画は続編の方に高い評価を与えたい。