自分の父親がなくなったのは、10年以上も前だ。相続となったが、土地や家の名義は母親名義に変更ではなくて、私の名義にした。そのほうが面倒くさくなくていいからと思ったのだ。しかし、それ以来、毎年固定資産税を払ってきた。

母親が介護施設に入ったのは、7年ほど前だ。それからは、実家の電気・水道・ガス・NHKなどは私が払うようになった。しかし、母親の老化が激しくなり、介護施設から実家に戻れる可能性がなくなったので、それらはすべて解約した。

実家の周りは庭や畑がある。それらは手入れをする人がいなくなったので、年に数回は、シルバー人材サービスにお願いして草刈りをしてもらっている。支払う額は大きな金額ではないが、毎年、数回はお金が出てゆく。

最近は、空き家は管理費を払えと市が言ってきている。市税という形で毎年6500円ほどおさめることになった。

これらの固定資産税や草刈り代は、私が現役であるときは、何とか、払うことができた。しかし、退職して、年金生活者となってからは(嘱託の仕事で若干のプラスのお金が入るが)、これらの支払いがとても苦しくなった。

そして、子どもの大学の授業料や仕送りが、困難になったので、山の売却先を探していた。なんとか親戚の人が買ってくれたので、一息つけたのだ。でも自分の資金計画は甘かったな、と反省している。

実家の山

今から考えると、いろいろな反省がある。父親がなくなったときに、家は相続するとして、山はすぐに誰かに売却すべきだった、と思う。あの当時ならば、山の購入に関心がある人が、まだ何人かはいた。値段もそこそこの値がついたのだと思う。そうすれば、固定資産税も10年以上も収める必要もなかったのだ。

一番の誤算は、実家の周りが、こんなに過疎化するとは、こんなに限界集落化するとは、まったく思わなかったことだ。実家を別荘として、そこに夏休みなどに住もうとしても、難しいかもしれない。周りに商店がほとんどなくなったからだ。結局は物置にするぐらいかな、と思っている。でも、物置にするといっても、保管するのは、大抵は不用品なので、すぐに捨てたほうがいいのだが。

親戚に山を安く売ったが、まだ、買い手がいるうちに売れてよかったと思う。あと、10年したら誰も過疎地帯の山なんか買わなくなるだろう。

この前、ネットで越後湯沢のリゾートマンションが安く売られているという記事を読んだことがある。実際にネットで検索すると、このように、かなり広いスペースの売りマンションで25万円という売値が付いている。

これが25万で買える。

しかし、問題は管理費が月に、5万5千円ほどかかるということだ。これに固定資産税が加わる。ここに住みつこうというのならば、毎月の家賃が5万5千円と考えれば納得できるかもしれない。でも、冬は雪で閉ざされる地域だ。冬は住めないだろう。

この地域が気に入ったとしても、夏あたりに、一週間ほどこの地域のホテルに泊まったほうがはるかにコストパフォーマンスは良い。

この歳になって分かってきたこと。固定費を増やしてはいけない。不要な土地などは早く売却すべきだ。また、

月一万円だとか、千円だと言って、何かのサービスに入ったりすると、積み重なると大きなことになる。自動車保険なども安いものに入るべきだ。