フランスギャルが死去したというニュースを聞いた。70歳で乳がんで死去である。1993年に乳がんと診断されてから、2018年に亡くなるまで、25年間という年月があったので、一時は乳がんを克服したと思われた時期もあったのであろう。しかし、2017年の年末に体調を崩して、それから今年度早々に亡くなったのだ。女性で70歳は早すぎる。

女性はよく乳がんで亡くなることがある。家内の知人の女性がやはり2年ほど前だが、乳がんで亡くなっている。この場合は発見から1年ほどしかもたなかった。その人の旦那さんはもっとお金があったら最新の医療技術を受けさせることができたのにと涙ぐんでいたと行く。いずれにせよ、知っている人であれ、知らない人であれ、がんにかかったというニュースは不気味であり、恐ろしい。

さて、このフランスギャルが歌った『夢見るフランス人形』という曲は覚えている。声が非常に可愛らしい声をしていた女性であった。まだ、あどけない少女であり、容姿を見ていても確かにフランス人形を思い出させるものであった。この当時、君臨していたのは、シルビーバルタンという有名な歌手であった。フランスギャルは2番手ぐらいの位置にいた。

この曲の元々のタイトルはPoupée de cire, poupée de sonである。cire はロウで、sonは人形用の詰め物の意味なので(sonは「音」の意味もあるが、本当は「詰め物」の意味だそうだ)、厳密な意味は、蝋の人形、ヌカの人形となるべきだそうだ。しかし、こんなタイトルでは、日本では売れるわけがないので、やはり『夢見るシャンソン人形』というタイトルは良かったのであろう。

(ここに彼女の歌のYouTubeを貼り付けていたのだが、著作権の問題があるようで取り除く。関心のある人は、YouTube で検索すると彼女の歌が出てくる。)

一般に、西洋の音楽の元のタイトルはそっけないのに、日本語に訳されるときは、格好良くなる。やたらと「愛の〜」「悲しみの〜」「嘆きの〜」「霧の〜」のような修飾語をつけるのだ。

半世紀ほど昔は、このようにフランスの流行歌やイタリアのカンツオーネなども日本で流行った。それがいつの間にやら、英語圏の音楽だけになってしまった。いまでも、フランスやイタリアでは、いい曲が流行るのだろうが、それが日本まで紹介されることは少なくなってしまった。それは淋しいことではある。

さて、同じ頃、元中日の監督の星野仙一も亡くなった。この人も70歳である。脾臓がんが原因だそうだ。自分より数年年長の人たちの訃報は聞くと自分も怖くなる。死とは避けられないことなのであるが、それを受け入れる心構えは自分には、まだまだ出来そうにない。