『老後破産』を読み終える。
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2015-10-16

昨日は電車の中でNHKスペシャル取材班が執筆した『老後破産  長寿という悪夢』(新潮社)を読んだ。読んでいるうちに苦しくなってきた。つまり自分にも起こりうることだという恐怖である。

築50年の木造アパートに住む田代さんの事例は以下のようだ。収入は国民年金 6万5千円と厚生年金 3万5千円で合計10万円の収入だ。ところが、家賃が6万円なので、残りの4万円で生活をしなければならない。さらに光熱費、保険などに2万円を使う。残りの2万円が生活費だ。

そんな少ないお金で生計が可能かどうか不思議に思うが、最小限に出費を切り詰めて生活をしているようだ。年金支給日が近づくと財布の中は空になる。100円ショップで冷麦を買ってきて年金支給日まで食いつなぐそうだ。

80代の田代さん、電気代は滞納したので、アパートの電気は止められている。洗濯は台所で食器用洗剤を使ってゴシゴシと洗う。夜は真っ暗闇である。唯一の楽しみはラジオと聴くことである。

田代さんが転落した原因は、40歳の時に退職して居酒屋を始めたことである。当初は順調だったが、やがて倒産した。そして、そして貯金もなく、困窮の度合いを強めていったのだ。

脱サラの恐ろしさを感じる。田代さんは結婚しなかったので、子供もいない。頼る身内がいない。10万円の年金でなんとか生きている。しかし、10万円の年金が出るのはまだよい。私の知っている人で無年金とかごく少額の年金しか貰わない人もいる。

山本さんの例も悲惨だ。彼女は57歳までデパートで働いていた。退職に際して、厚生年金を一括払いで受け取ってしまった(当時はそのような制度があった)。

山本さんの言葉だが、「昔は、積み立てた厚生年金を退職時に一括でもらうこともできたのですよ。でも、退職した当時は、年金がこんなに大切な物だったってわからないじょない。だから、その時一括してもらってしまったんです。だから今、厚生年金はないんです」が身にしみる。

現在は80歳代で、国民年金は6万円を少し超える程度、家賃は5万円で残りの1万円で生活をする。当然、足りないので、貯金から取り崩すのである。

以下、悲惨が事例がたくさん出てくる。なんとか持ちこたえていても、病気をすると一挙に転落だなという印象だ。それまで細々とパートで稼いでいても、とたんに生計が不可能になる。病気は恐ろしい!また、夫婦で合計13万円の国民年金で生活していたのだが、一方がなくなると年金が半分になり、生活できなくなる。

たくさんの教訓がある。脱サラはよほどの勝算がなければ行うべきではない。個人年金もできたら掛けておけ。年金は一括でもらうな。健康管理が最大の重大事だ。そんなところか。この本の紹介はまだまだ続けたい。