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私よりも10歳ほど若い人が急逝したということを教えてもらった。この方は、今年の4月に新しい職場に異動して、新天地にて働き始めたのだ。私とは3年ほど一緒に働く機会があったが、元気なかたで、言葉はやや乱暴なところもあるが、急逝するような様子は微塵たりともなかった。
人の命は消えやすい。多くの人々が知っている真実を再度確認した次第だ。私の年齢、60代の後半は、ほんとうに消えやすくなっているのだ。年少の知人や友人が、これまでにも沢山なくなった。年長の方はほとんどは残っていない。
時々、昔を思い出してはいる。楽しかったことを思い出して二コリとしたり、嫌ことを思い出して、憤慨したり恥じたりしている。でも、いや、もう昔のことはいいのだ。これからは、1日1日を大事にして、前を向いて歩いていけばいいのだ。
もう大きな野望も望みもない。その意味では、自分のこれからは、消化試合としての人生になってしまったが、それでも1試合でもいいから楽しむのだ。消化試合も悪いものではない、と思う。
キンモクセイが咲き始めた。ところどころ匂いがしてくる。秋の香りだ。生きていてキンモクセイの香りを嗅ぐことができるなんて、幸せではないか、と思う。