『花郎<ファラン>』という韓国ドラマを見た。今まで見た韓国ドラマは現代の話だったが、これは歴史ドラマであり、それなりに面白かった。予測不可能な点が良かった。日本の歴史ドラマだと大体あらすじは決まっている。明智光秀が出てきたら必ず裏切って本能寺の変を起こすし、豊臣秀吉が出てきたら、必ず天下統一をする。関ヶ原の戦いは必ず東軍が勝つ。そのような歴史的な史実は変えられない。日本の歴史ドラマを見るときは、その前提での、細かいアレンジを見て楽しむという形だ。一方、韓国の歴史ドラマは私が知っている史実は少ないので、どのように展開するか知らないという意味で、好奇心を持続することができた。
花郎<ファラン>は王の親衛隊内で起こるライバル、恋愛、戦いなどの話だ。ファランが作られるときに、それに選ばれる1つの条件として美形であることがある。家柄、武術の能力、知力などならば、条件として分かるが、美形であることが条件というのが可笑しい。おかげで登場する親衛隊の若者は美男ばかりで、女性ファンは大喜びだろう。
日本人と似た人がいる。大后は沢尻エリカみたいな顔をしているし、ファランの中の一人は香取慎吾そっくりであった。
物語に登場する人々の衣装は華やかであまり時代を感じさせない。現代風にアレンジしてあり、新羅時代の韓国の宮廷があんなに華やかであることはあり得ないだろう。でも、その点はドラマだからと割り切っていこう。
このドラマは、脚本家の想像力・構成力には舌を巻く。上手に組み立てていると思う。24話もあるので、かなり長いのだが、飽きずに最後まで引きつけて、最後のクライマックスまで持っていくのは見事だと思う。日本のドラマは韓国のドラマに負けているという声を時々聞くが、残念ながら本当とも思う。『花郎』のような構成の巧みなドラマは日本にはあまり見つからない。