今日はnetflixを見ていたら、たまたま『アリサカ』というフィリピンの映画と出会い、それを見た。始めて、フィリピンの映画を見たのだが、それなりに面白かった。韓国の映画やドラマと比べると、映画作成の費用はそんなにかけてなくて、低コストで仕上げたなという印象だ。でも飽きることなく最後まで見ることができた。
麻薬事件の証人を護送する途中に、麻薬一味に買収された警察官に殺される。しかし、マリアーノという女性警察官だけは無事に逃げて復讐をするという物語である。題名の『アリサカ』とは何か、何か他のヒロインの名前かと思ったら、主人公が日本兵が昔隠れた洞穴で見つけた銃(有坂銃というらしい)の名前である。この有坂銃を使って、不正警察官の一派に対して復讐するのである。
舞台は、太平洋戦争中のDeath March (死の行進)の道路であり、たくさんの捕虜が途中で倒れたところである。その道を護送する途中で、たくさんの味方や敵の警察官が死ぬことになるので、そのことも暗示しているようだ。私自身は、コレヒドール島の戦い、バターン半島での死の行進の史実は知っているので、その歴史と重ねて興味深い見ることができた。でも、最近の若い人で、歴史に関心のない人はきょとんとしてしまうかもしれない。
あと、この映画はよくある恋愛ストーリーを入れてない点がいい。この様なストーリーはハリウッドならば、必ず恋愛ネタを入れてくるが、この場合はまったくない。フィリピンにおける麻薬の問題、不正警察官の存在、先住民、第二次世界大戦中の日本兵、などが適度に織り込まれている。恋愛はまったくない。
洞窟で見つけた日本兵が所有していた恋人の写真を見て、遺体への敬意を示して水筒を横に添えるということをしている。反日映画ではないようだ。ここでは、太平洋戦争中の日本による支配は単なる歴史へと存在が薄れているように感じた。
いろいろな国の映画やドラマを見ることは興味深いことだと思う。これからは、マイナーな国の作品も是非とも見ていきたい。