2016-03-26

動画『天使の恋』を見た。これは『砂の器』をYouTubeで探していて、偶然見つけた動画である。ちょっと視聴したら面白いので最後まで見た。

この映画では佐々木希が主人公で、大学講師を演じる谷原章介に恋をするという設定である。ストーリーはやや非現実的である。が、自分は素直にその世界には入っていくことができた。美男と美女のロマンスを、おそらく彼らほどは格好良くない視聴者が見て、自分たちもあのような姿形で恋をしたいと憧れる、そんな溜息が聞こえてきそうだ。

佐々木希が可愛いのであるが、ちょっと彼女の経歴をネットで調べてみた。彼女は農業高校を中退している。つまり、中卒である。しかし、彼女のモデル業という仕事は、そのことは全然ハンディにはならなかった。

過去がハンディになるのは、男の場合に多い。『砂の器』の犯人は過去を捨てて新しい戸籍を得たから作曲家として注目されることが可能であった。ハンセン氏病の父を持つ貧しい少年という出自では世間から無視されるだけだったろう。

ショーンKは、アメリカの有名大学のMBAであるとの売り込みでラジオやテレビに司会者として成功を収めた。田舎の高卒という経歴ではDJの仕事に就くのは難しかったろう。

ただ、その人が現実に成功したという体験は、ある程度は、たとえば経歴詐称があったとしても、その人の実力を証明するものである。今回のスキャンダルでも、人々はその実力には一目置くことになった。つまり過去はハンディではあるが、それは実力で挽回もある程度はできるということだ。

佐々木希の成功の大きな要因は彼女の外見の美しさに依っている。中卒の女の子が自分の才能と努力によって出世街道を邁進したというよりも、その美貌ゆえに、周りの人々の引きがあり、あれよあれよというまに、本人も驚くほど有名になったのだ。

ただ、女性の美貌には賞味期限がある。つまり、年齢という天敵と戦わなければならない。今が頂点の彼女の美貌はこれからは下り坂になる。女性は上手に老いていかなければならない。飛行機で言えば、着陸へ向けてソフトランディングしていかなければならない。

男の方がその点は得かなと思うこともある。実力は時間が経過することで付くことが多い。たしかに、スポーツ選手などは若いときしか活躍できないが、それ以外の多くの仕事は、経験が積まれ、知識が加わり、コネが広がることで、仕事の質が高まることが多い。それは収入増につながることもある。

ここで、天地真理と佐々木希を比較すると、佐々木希はかなり野性的で現代的だなという印象だ。美しいけれど粗野な感じがする。それが魅力だと考える人もいようが。現代の若者には人気があるだろう。天地真理になると上品で清潔感がある。私のような高齢者が若かった頃の理想の女性像が天地真理である。

老化は確かにしんどい。そのしんどさは女性の方により過酷に影響するように思える。とにかく、女性も男性も上手に老いていきたいものだ。