2016-07-21

週刊文春の今日発売される7月28日号に鳥越俊太郎候補のスキャンダルが掲載されるそうだ。「鳥越俊太郎、女子大生淫行、被害女性の夫が怒りの告白!」というタイトルである。

都知事選は不思議である。各候補の都政に関する考えはマスコミは全然取り上げずに、過去の領収書がどうであったとか、過去に女性と付き合ったことがあるかどうか、を主に報道しているように思える。

人間はスキャンダルを知りたがる、とりわけ下半身に関するスキャンダルには抑えがたい関心を示す。そのために、週刊誌などは、人間のこの欲望に応えるために、記事を多産する。

たしかに、週刊誌には権力者の腐敗や不正を暴き出して、社会的正義に貢献するという働きをする場合もある。ただ、週刊誌は売れなければならない。週刊誌の編集者は今週号が売れるかどうかに最も関心を持つ。そのためには、なりふり構っていれれない面がある。売り上げを伸ばすには、やはり下半身に関する記事だ。

ところで、今回、文春の餌食になった鳥越俊太郎氏だが、昔、サンデー毎日の編集長であった。1989年6月に当時首相になったばかりの宇野宗佑首相の愛人問題を報じて、大きな話題となった。それが原因となり、翌月の参議院選挙で自民党が大敗して、首相を辞任している。その意味では、鳥越俊太郎にとっては、因果は巡るということになる。

宇野宗佑が首相としてどのような手腕を見せたのか、それを知る前に、首相の座を降りてしまった。政治家としての能力はあった人らしい。

昔は政治家の女性問題はあんまりマスコミは報じなかった。市丸は近衛文麿の愛人の一人であったが、そのことを積極的に報じて、糾弾した新聞はなかった。このことには、女性に関するスキャンダルを調べたら無罪放免の男など一人もいない、という認識がマスコミになったからだと思う。そして、政治家は政治家としての能力で計ろうとする考えがあったように思える。

マスコミが売り上げを伸ばすために何でもするという態度が見られるが、賢い読者になるためにはどうすればいいのか。買わない、読まない、がその答えなのだろう。

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