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自分が中学生の頃、ラジオの文化放送で『9500万人のポピュラーリクエスト』という番組が毎週あった。自分はそれを聴くのが楽しみで、各曲の順位がとても気になった。ノートに順位を書き写して、好きになった曲の順位が上がると嬉しくなり、逆に順位が下がるとガッカリしたものだった。
自分が熱心に聴いていた頃は、ビートルズの人気がようやく下り坂になった頃で、それまでビートルズの曲が上位を独占していたのだが、ようやく他のアーチストの曲にも機会が巡ってきたのだ。
神懸かり的に素晴らしい『抱きしめたい』『シーラブズユー』『プリーズプリーズミ』『ツイストアンドシャウト』などと比べると、やや曲の威力が落ちてきていた。それでも、この番組ではビートルズの曲は一位によくなったものだった。『恋する二人』『のっぽのサリー』なども懐かしい。
自分も歌いたいと思ったが、英語が分からないので、カタカナでノートに書き写して、カタカナで歌ったものだった。あの頃の記憶はまだ残っている。『恋する二人』の出だしなど、「アーシュドノンベタウズアギャライッキュ」と意味も分からず歌っていたのも懐かしい。
そうそう、その頃、ソノシートという薄いプラスティックのレコードが売られていた。ソノシートでビートルズの曲が安く売っているなと喜んで買ったら、日本人のグループが日本訛りの英語で歌っているので、ガッカリしたことがあった。
今は、YouTube という便利なものがあるので本当に驚きである。シルビーバルタンの『アイドルを探せ』も動画で何回でも視聴できる。この曲も、カタカナでノートに記して、「ススアレドプアレドプアレダンセーエ」などと調子に乗って歌っていたものだった。
中学生の頃、『アイドルを探せ』のレコードジャケットから歌詞を取り出して眺めていた。そしたら、英語の先生がそれを見て、フランス語の歌詞をすらすらと訳してくれた。この先生は英語だけでなくて、フランス語もできるのだ!と驚いたことがあった。
9500万人のポピュラーリクエストは自分にはとても懐かしい番組であったが、これをネットで調べると多くの人が自分と同じように、いろいろな所感を述べていた。順位が気になって書き取っていたという人も結構いるので、ちょっと驚く。
その頃の日本の人口は9500万人だった。社会の授業では先生が日本の人口は毎年100万人も増えているので、国土の狭い日本は将来は人で一杯で大変なことになると言っていた。
しかし、その日本が今は少子化で苦しむなんて、当時はまったく想像もできなかった。50年程前の話だ。時代は変わるものだとつくづく感じる。