今日から8月だ。早いものだ。なぜか、昔のことを思い出した。昔の夏も暑かった。エアコンなどは誰も持っていなかった。扇風機と団扇で夏を過ごしたのだ。でも、そんなものだと思っていたので、特に問題だとは思っていなかった。子どもたちはパンツ一枚で、男はステテコ一枚で、女も家の中は薄着で過ごしていたと思う。

今は、エアコンがあるので便利だ。職場でもエアコンに頼ってしまう。ちょっと外出すると中と外の温度差に身体がおかしくなる。昔のように扇子をもって手ぬぐいで顔や首を拭いていた時代を懐かしく思うことがある。

20歳ぐらいの頃は、自分はタバコを吸っていた。値段は今の人には信じられないくらいに安かった。自分がよく吸っていたのは、セブンスターだ。値段は100円だ。ハイライトは80円で、ショートホープは50円だった。主にこれらを吸っていた。その他にもエコーという名前のタバコを吸ったこともある。

当時は街角の至る所にタバコの自販機があって、誰でも買える時代だった。大学の授業の時に、ある先生は教壇の机に灰皿を置いて、タバコを吸いながら授業をしていた。会議でも、灰皿が置いてあり、人々はタバコを吸いながら、議論していた。今では、会議の最中どころか、どこでもいつでも禁煙で、わずかに喫煙所でしかタバコは吸えなくなってしまった。

昔の映画を見ると、人々がやたらとタバコを吸っているので驚く。あの頃はタバコが健康に悪いなどということは一般には広く知られていなかった。

自分が小学生の頃は、SP盤というレコードで音楽を聴いていた。蓄音機の回転数を78/分に上げて聴いていたのだ。それから、ドーナツ盤が出てきた。これは回転数が45であり、少しゆったりとしていた。値段はいくらぐらいだったか、330円ぐらいではないか。中学生ぐらいから、小遣いを溜めて、三田明の『僕のそばには君がいる』、西郷輝彦『星娘』などを買って聴いていた。

洋楽も好きになり、一番最初に買ったのは、アニマルズの『朝日の当たる家』だった。それから、デーブクラークファイブ『ビコーズ』、ピーターとゴードン『愛なき世界』、デルシャノン『太陽を探せ』などを買った。引っ越しを繰り返したので、今は盤はないが、現代では、曲名さえ覚えていれば、YouTube で聴けるのでありがたい。

それから、LP盤が登場した。これは1時間ほど聞くことができる便利なレコードだった。回転数は33/分であったように記憶している。始めて買ったのは、ビートルズのMeet the Beatles というアルバムだ。あの頃のI want to hold your handsとかShe loves you とかPlease please me などは神懸かりのような迫力のある曲で自分の心を捉えた。

127071 / Pixabay

大学時代は、クラシック音楽を聴いた。それまで、2000円以上していたLP盤が突然廉価版が登場して、1000 円で買えるようになった。大学の生協では、さらに、割引があって、800円で廉価版が買えたのだ。アルバイトで稼いだお金をそれに集中して使ったので、400枚ほど集めたか。

就職してからは、あまり音楽を聴く時間はなくなった。でも、天地真理の『若葉のささやき』『恋人たちの港』などはよく聴いていた。それらはドーナツ盤を買って聴いていたのかな。天地真理の美しさと可愛さは他の女性歌手を圧倒していた。

CDという便利なものが売り出されるようになった。MDも便利だと思ったが、なぜかMDプレイヤーは生産中止でもう売っていない。

今は、音楽を聴くのは、YouTube で聴くことが多い。自分の年齢だと新しく若い人の曲を聴くことはなくなり、昔懐かしい曲を聴くことが多くなったので、YouTube で十分に間に合う。

車を皆が持つようになった。自分が小学生の頃は、我が家が自家用車を持つようになることがあるとは考えなかった。でも、いつまにやら、父親が車を買って、自分も免許を取って、20代の半ばからずっと車は必要不可欠になってしまった。

しかし、この年、60代の半ばに達すると、そろそろ車は手放して、バスやタクシーでの生活にしようかと考えるようになった。昔は誰も車など持っていなくて、それでも生活はちゃんと成り立ったのだ。