北陸地方、特に福井は大雪だそうだ。国道8号線では、1000台以上の車が立ち往生して、何十時間も過ごしたというニュースを聞いた。私は石川県に20年ほど住んだことがあるので、雪の経験はある。

北陸の人々は大雪に慣れているが、このところは地球温暖化の影響で昔ほど大雪は降らないので、油断をしていたのかもしれない。大雪の日は出かけなければいいのだが、通勤、通学があるので、家に閉じこもっているわけには行かない。車を使っている人は、車のエンジンをかけて大通りまで除雪をして、それから出発する。

大雪の日は、車が雪に埋もれている。そんな時はどうするのか、自分の経験からは、まずお湯を沸かす。そのお湯を車のドアの鍵穴の付近にかける。すると雪が溶けてくるので、なんとか鍵を差し込んで、車のドアを開ける。そしてエンジンをかける。車が次第に暖まってきて、屋根やフロントガラスの雪が溶けて落としやすくなる。エンジンで暖めている間、スコップで車の周りを除雪する。大通りは朝早くから除雪車が雪を除けておいてくれるので、とにかく大通りまで行きたい。

スコップで除雪をしても捨てるところがない。溝や空き地に捨てるのだが、すでに山盛りになっていて捨て場所がない。そんな時でも無理矢理雪の捨て場を見つけるのだ。

庭からホースを引いてきて、水をかけて雪を溶かすことがあった。なんやかんやで30分ほどしてから、車をおそるおそる動かす。スノウタイヤだが、時々はタイヤが空回りして、動かなくなることもある。タイヤが動いている時は危険であるので、家族に近寄らないように言う。とにかく、大通りに出ると一安心だ。

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ただ、先日の福井の立ち往生のように雪が絶え間なくふると、これはお手上げだ。家でじっとしていた方がいい。雪の重みで家がつぶれることがあるそうだが、それは山奥の古い民家などであろう。自分の自宅のように建て売り住宅ならば、屋根も小さいので雪はたまらずに落ちてくる。雪が溶け始めると、玄関あたりで、雪の直撃を頭に受けるので気をつける必要がある。

子どもが小学生の頃、大雪で数日間家に閉じ込められたときがあった。冷蔵庫の中の食品を有効活用しながら、子どもに食べさせていた。私と家内はご飯を炊いて、ふりかけだけで数日過ごしたことがあった。おかずは少ないので、子どもにだけ食べさせた。そんな日々もあった。

今は、自分は中部圏に住んでいて、雪と無縁の場所に住んでいる。それでも、先週はこちらでもかなりの雪であった。とにかく、雪の降らない地域は素晴らしい。冬は少々寒くても雪さえ降らなければ何とかなると思う。雪がロマンティックでいいという人がいるが、そんな人も1週間ほど雪国で住んでみれば、もう十分だと言うであろう。

3月なれば、さすがの北陸も大雪で苦しむことはなくなる。さて、自分は自宅と実家が石川県にある。定年後、この地(中部圏)で働いているが、この嘱託の仕事が終わったら、石川県に戻る予定だ。でも、実を言えば、暖かい地方に住みたい、もう雪の降る地域には住みたくないというのが本音だ。(春から秋にかけては石川県は楽園みたいな場所なのだが。)