2015-10-23

若い人たちは知らないかもしれないが、初代三人娘として、美空ひばり、江利チエミ、雪村いづみ、という三人の歌手が挙げられた。彼女たちはそれこそ大変な人気で、特に美空ひばりなどは今だに歌がよく歌われている。彼女たちは「初代三人娘」と呼ばれている。

1970年代になると「新三人娘」という名前で、天地真理、小柳ルミ子、南沙織の3人が一緒に呼ばれることが多くなった。人気は誰が一位ということではなくて、お互いに競い合って人気を高めあっていた。

それから、天地真理が姿を消して、南沙織が写真家篠山紀信と結婚して引退した。小柳ルミ子は芸能界からは引退せずに、また大澄賢也との結婚や離婚などが話題になり、常に話題を呼ぶ人であった。

ここでGoogleでこの3人の歌手の名前の検索数を比較すると以下の表のようになる。

スクリーンショット 2015-10-23 6.27.43

これを見ると(図は鮮明でないの点は、ご容赦願いたいが)、要は、小柳ルミ子(赤色の線)の名前が一番検索数が多くて、次が天地真理(青色の線)、最後に南沙織(黄色の線)という順番になる。

特徴としては、2008年の前半に「小柳ルミ子」という名前でたくさんの検索数があった。この理由は分からない。「天地真理」という名前で2011年とこの数カ月にたくさんの検索数があった。

2011年になぜ検索数が増えたのかは、ファンクラブの設立が話題をよんだのではと推察する。2015年の今の検索数の増大は『週刊新潮』の記事が原因だと考えられる(『週刊新潮』の影響力、恐ろしや!)。

ここで新三人娘の老後を考えてみたい。まず南沙織は有名な写真家篠山紀信と結婚して、また子供が3人生まれそれぞれ活躍しているようで、経済的には何の心配もないであろう。

小柳ルミ子は現在でも芸能界に顔を出して、時々はそれなりの話題を浴びている。経済的にはこれまた何の心配もないであろう。

ただ、天地真理の場合は、上記の二人と比べると経済的にはかなり苦しい。しかしそれでも、私が読んだ『老後破産 長寿世界という悪夢』(新潮社)で示された例と比べるとはるかに恵まれている。『老後破産』に登場する人々は生きるか死ぬかの瀬戸際に立っての経済的な苦境であった。その意味で、『週刊新潮』は天地真理に対して老後破産という言葉を大げさに使ったのと思う。

新三人娘を経済的に比較するならば、今でも芸能界で活躍している小柳ルミ子は勝ち組、有名な写真家と結婚した南沙織も勝ち組になろう。そして、天地真理は経済的には負け組になろう。

ただ、面白いのは、名前の検索のヒット数である。天地真理は芸能界からは引退しているが、そこそこ名前のヒット数がある。それは人々が彼女がどうしているのか知りたいと思っているからである。高齢者用の住宅に住んでいても、世間はいまだに彼女の動向を知りたがっているのである。

『週刊新潮』の老後破産の記事が先月末に登場した。その記事は人々を驚かすに十分な内容であった。しかし、「判官贔屓」(はんがんびいき)という言葉がある。人々は負け組に優しいのである。

新三人娘の中で、経済的には天地真理は負け組となったとしても、人気度や期待度では、負け組ではないと思う。天地真理のファンの一人として、なんとか復活を願いたいのである。 

三人娘
新三人娘