久しぶりに橋幸夫の名前を聞いた。『週刊文春』(2018年3月15日号)が「47年目の離婚報道 橋幸夫 実はもう再婚していた!」という見出しで報道をしている。どうやら橋幸夫が離婚と再婚をしたようだ。

ネット上では、いろいろな情報が溢れている。簡単に言うと、「橋幸夫が長年連れ添った奥さんと離婚した。二人は 46年間一緒に住んでいたのだ。ところが離婚したら、橋幸夫はすぐに再婚した。相手は50代後半の一般女性だ。」そんなところか。詳しい話はない。ほとんどが憶測だけだ。

週刊文春を購入すれば、もう少し詳しい情報を得ることが出来るのだろうが、400円もの代金を使うのは嫌なので、ネット上の情報だけで色々と思いを巡らす。

橋幸夫の名前は自分には懐かしい名前だ。御三家と言われて、橋幸夫、西郷輝彦、舟木一夫の3人の男性歌手が1960年代、一世を風靡していた。3人はやや方向性が異なっていた。西郷輝彦と舟木一夫が青春路線をまっしぐらな歌を歌う一方で、やや年長の橋幸夫は「大人の味」も出して歌っていた。

西郷輝彦と舟木一夫はどうしても青春の歌の歌手として記憶されており、いまだに『高校三年生』とか『修学旅行」『いつまでも』がディナーショーでもリクエストされる。

一方の橋幸夫はもう少し年長者の思いを歌った歌手として記憶に残っている。『潮来笠』などは時代劇を彷彿させる歌でもある。

そして、これは私の勝手な感想だが、舟木一夫は自殺未遂を起こしたりとややひ弱であり、豪邸を手放したりと金銭感覚も未熟な点があるのに対して、橋幸夫は実業家としてもしっかりしていて、良く言えば、実直であり、悪く言えば、したたかであった。

橋幸夫の奥さんは国際線の客室乗務員であり、飛行機の中で彼と知り合った。二人は長年連れ添って夫婦仲の良い理想の夫婦像を演じていた。奥さんは、橋幸夫の母親の介護をしっかりとこなして、介護体験に関する共著もあり、講演会でも話をしている。橋幸夫は順風満帆の人生のように思えた。しっかり者というイメージであった。

それゆえに、自分は御三家の中では、橋幸夫はあまり好きではない。舟木一夫が好きだ。その理由は、橋幸夫は勝ち組なのに、舟木一夫は負け組だからだ(これは二人を比較して言っているのである。舟木一夫も一般人からすると相当に豊かな生活を送っている)。判官贔屓というか、自分は、舟木一夫の方に共感し、共鳴していた。

でも、昨今の報道を聞いて、順風満帆に見える橋幸夫の人生も、いろいろなことがあったのだな、ということが分かった。彼は、積もり積もったことを清算したくなったようだ。

人生の最後の場に臨んで、橋幸夫は静かな人生を得られそうになり、自分を本当に理解してくれる女性と出会ったのだろう。その意味では、真の勝ち組の人生になるのかもしれない。

橋幸夫の離婚