2015-10-04

相変わらずこのブログは「天地真理、老後破産」というキーワード検索で訪問者が続く。『週刊新潮』の記事のインパクトはこんなに強いのかと驚いてしまう。ところで、今日は天地真理に対する個人的な思いをちょっと語ってみたい。

(1)自分が天地真理をテレビで初めて見たのは『恋する夏の日』を歌っている姿であった。可愛いらしさと清潔感がその第一印象であった。その時は、こんな愛らしい人がいるのか、と思ってしまった。

(2)顔が愛らしいので、この人の心も愛らしく清らかであると思った。また頭も良さそうな、賢明な人だという印象を受けた。(その当時の自分は女性と交際した経験がなかった。なので、美人=心も清らか=頭も良い、という単純な図式を信じていた)

(3)いろいろと彼女のレコードを買ってみる。『恋人たちの港』や『若葉のささやき』などは特に好きであった。今でもそれらの曲を聴くと若かりし頃の自分の思い出と結びつく。

(4)しばらくして、彼女の姿は消えてしまう。ちょっと残念に思う。たくさんの歌手が毎月登場するが、同時にたくさんの歌手がスクリーンから消えていく。彼女の場合も例外ではないのかと思う。

(5)10年ぐらいしてから彼女は写真集を出す。裸の写真集である。ただ、自分はその写真集を実際に本屋で見かけたことはない。週刊誌か何かで写真集が出たという話を読んだだけだ。「えーつ」という気持ちを抱く。しかし、その頃は、自分もある程度の人生経験を積んできたので、そのようなことをする彼女が追い詰められているのだということは分かった。

ただ、彼女には清潔なイメージが残っているので、そのギャップを売り物にしようとするプロデューサーや出版社の意図を断りきれない彼女に意思の弱さを感じた。ともあれ、彼女は「賭け」に出たな、と思った。

(6)彼女がAV映画に出たという話を聞く。私自身はその映画は見ていない。ただポスターをちらっと見た。その時は、「愚かなことをしている」という印象を受けた。彼女は清潔感が売り物の女性であった。その延長上でやっていけば、「そこそこ」テレビへの出演のオファーはあるだろうに、と思っていたからだ。そのような計算も出来ない人なのかと悲しくなった。

(7)彼女が結婚したというニュースを聞く。印象に残っているのは、結婚相手が700万円のダイヤモンドを彼女にプレゼントしたという話だ(値段は確かではないが)。大変な金持ちと結婚するのだな、と思った。少しひがんだ。

(8)30年ぐらいしてから、テレビに出る。姿形がかなり変わっている。体型の管理に無頓着であることを示している姿だ。その姿と昔の清潔感のただよう姿のギャップを「売り」にしようというのだろう。たしかに、これも一種の売り出し戦略であるが。(誰がアドバイスしたのだろうか?)

(9)彼女は離婚したと聞く。理由は夫の暴力だという。しかし、これは彼女側の説明であり、夫側の説明を聞いていない。夫には、彼女を嫌になる、なにか理由が別にあったのかもしれない。(もめ事では一方の当事者の話だけを聞いてはいけない)

(10)時々、週刊誌が「今あの人はどうしているか」という視点から記事がでる。好奇心から私もそんな記事を読む。

(11)ファンクラブができる。娘さんがしっかりと天地真理を監督しているようだ。ファンたちは何らかの形で彼女を復帰させたいと考えている。

(12)『週刊新潮』が彼女のことを「老後破産」という内容で記事にする。天地真理がもしも芸能界に復帰を考えていたならば、つまりファンに対して夢を与える仕事を再開しようと考えていたならば、この記事は打撃になった。シニア用の住宅(老人ホームのイメージ)に住んでいること、浪費グセがやめられないこと(賢い女性というイメージは無くなる)を彼女は白状してしまう。苦労してきた悲劇のヒロインという風に週刊誌の記者に語れば、応援しようとする人もでてくるが、この記事では呆れてしまう人が出てくるだろう。逆に言えば、週刊誌の記事で正体がばれてしまったとも言える。

(13)人々の老後破産の恐ろしさを教えたという点は効果があった。往年の大スターでも油断すると「落ちぶれる」という実例を示したのだ。しかし、やはり腐っても鯛である。腐っても「天地真理」である。その名前は強力なブランド力がある。そのブランド力はまだ使える、と私は思う。

(14)公式ファンクラブに掲載されている彼女の写真はダイエットに成功したと見えて、温和な顔になっている。全ての経験をしつくして、悟りの境地に達した聖女の印象がある。清々しさを感じるいい顔である。


天地真理は私と一歳違い、ほぼ同世代である。私も老後破産に怯えている。私の親戚にも似たような話がある。個人的にも、社会全体としても展望がひらけない。私もあと10以上は生きていかなければならない。団塊の世代の数は多い。どこに行っても同世代の老人ばかりだ。日本の活力はどうなるのか。