昨日、親戚から突然電話がかかってきた。30万円返してくれという話だ。これはちょっと長い話になる。

以前、親戚に山を売った話を記事にした。色々と交渉をしたのだが、だいたい300万円ぐらいで売却という風に落ち着いた。

それで親戚は私に対して100万円ほど手付け金として支払い、残りは数カ月後に支払うことになった。この100万円は非常に助かった。子供の授業料をどうやって支払ったらいいのか頭を悩ましていた時に、まさに干天の慈雨であった。おかげさまで何とか子供の授業料も払うことができた。

先祖代々から受け継いだ山であるが、利用価値がほとんどなくなっていた。祖父母の時代は山に行って風呂や炊飯の焚き付け用の木材をを集めてきたり、しいたけを栽培していた。しかし、今は単に固定資産税を払うだけの厄介者だ。親戚に売れたので、私としては厄介払いもできてよかったと思っていた。

しばらくしたら、その親戚から残金支払いの目安がつかなくなったと連絡が入った。親戚の方も資金が払底してきたようだ。ただ、自分としては困ってしまった。その年の分の授業料の支払いは何とかなったが、次の年の授業料はどうするのかという問題だ。そこで、日本政策金融公庫から50万円を借りることにした。

日本政策金融公庫に申し込みをしたら、すんなり審査が通って50万円が振り込まれた。その金を次年度の授業料の支払いに当てたのだ。そのおかげで、子供はこの3月に卒業することができて就職先も決まった。とにかくホッとした。

この4月からは日本政策金融公庫への返済も始まる。返済は苦しいけれども4月からその用意も始めていた。

そんな時に、親戚から電話がかかってきた。手付けとして支払った100万円を返してくれという話だ。急な話で驚いた。親戚は肺がんだそうだ。入院していて商売もストップしていて非常に困っている様子だ。親戚は自営業だ。自営業は調子がいい時はいいのだが、いったん商売が傾くと大変だ。会社員ならば数ヶ月ほど休んでもある程度の給料は保証されるが、商売は自分の体が資本だ。肺ガンというが、どの程度の病状かは分からないが、70代という高齢から判断すると楽観視できないようだ。

親戚はとにかくタバコが好きだ。私と話をしていても30分ほどの会話の時に3本は吸っていた。チェーンスモーカーなので健康は大丈夫かなと思っていた。そんな親戚だが、先日、あった時は、タバコを吸わないのでどうしたのかと聞くと「体調が悪くて入院していた」と言う。その時は病名を言わなかったのだが、私自身は肺がんではと思っていた。

頼りにしていた親戚であり色々と相談もしてきた。その人がかなり困っているようで、しかもガンとなると山の売却とか残金の支払いとかの話どころではなくなる。結局は山の売買の話は立ち消えとなった。手付けだが、私がもらうわけにもいかずに返すことになった。

今度親戚と会って細かい話をしなければならない。親戚は自分の病気のことが一番気がかりだろう。電話口では元気そうだったが、声がしわがれているなという感じはした。自分の病気、自分の商売が気がかりであるのでと親戚の心中を察すると大変だと思う。私も何か手助けをしてあげたいが、金銭的には自分も大ピンチである。

私は子供の教育費という縛りが終わり、これから老後を楽しもうという所でこんな状況だ。今年の税金の支払いなどはすべてストップしようと思う。1年後に遅延金をつけて払う予定だ。

とにかく、子供が大学を卒業できてよかった。在学中に授業料が支払えなくなることだけは何とか避けたいと思っていたが、何とか卒業できた。それだけはよしとしたい。

stevepb / Pixabay