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由美かおるの記事をまだ時々目にする。彼女は私と同じ歳で68歳である。私の方の外見はもう典型的な老人であり、パッとしないのだが、彼女の方はまだまだ華がある。
同じ歳であるので、同時代の人という意識で共感を覚える。私が初めて由美かおるを知ったのは、高校生の頃か。何かのテレビ番組で人気が上昇してきた。でも、その時に、クラスメートの一人が「由美かおるは白痴美人」だと評価していた。そのクラスメートは皮肉屋で世の中を素直に見ない点があった。しかし、頭のいいクラスメートなので、ある程度は一目置かれる存在であった。
そのクラスメートのその言葉が何故か自分には残っていて、「彼女は可愛いい女性だが、知的には少々劣るのだ」と思っていた。
私が30代の半ばごろ、故郷の町に由美かおりが講演か、何かの宣伝にやってきた。父親も話を聞きに行ってきたのだが、「話が面白い」と言って感心していた。彼女は「〜を購入することをお勧めします。これを購入したら運が向いてきて、お金持ちになった人もいるそうです」というような話で聴衆を笑わせて、何かを買わせたそうだ。
その後も『水戸黄門』などのテレビドラマなどで活躍してその存在感は薄れていない。
あれだけ、生存競争の厳しい芸能界の中でちゃんと生き残ってこれたのは、本人の才能と努力の賜物であろう。彼女は若い時とほとんど同じ体型を保持しているというのは驚きである。私などは10キロ以上も太ってしまったが、彼女はきちんとコントルールできている。プロ意識があるのだ。
どんな人物なのだろうか。想像してみると、きちんとした自己管理ができる女性、自分の武器を十分に意識した上で、それを最大限に活用する巧みさ、芸能界でコネを見つける才能、などが彼女には十分にあったのだろう。決して「白痴美人」などではない。ただ、生意気さなどは出さないようにして自分の持つ武器「可愛さ」を上手に活用してこれまで巧みに生きてきたのだ。