毎年、この日になると、太平洋戦争の始まった日、日本軍の真珠湾攻撃の日ということで、テレビなどで特集を組んだりしたものだった。しかし、最近は、この日も忘れ去られるようになり、テレビなども静かなものになった。

真珠湾攻撃を特集した映画として、『トラ・トラ・トラ』がある。また、アメリカの映画であるが、『パールハーバー』という映画があった。これらの映画を見て、感じることは、真珠湾攻撃は大プロジェクトであったのだな、ということだ。何千キロと離れたハワイへ、敵に見つからないように見つからないように、百隻以上の艦隊が近づいてゆく。そして、早朝に攻撃を仕掛けあのだ。もしも、この日が大雨であったら、どうなったのか。途中で見つかったらどうなったのか。など、歴史上のIFをたくさん考えてしまう。

眠れる獅子であったアメリカを起こしてしまった。そして、その結果として、日本は高い代償をはらうことになったのだ。でも、結果として、日本の民主化は何十年と早まった。あの時代に戦争がなくて、戦前の体制のままだったら、日本人は窒息してしまっただろう。

敗戦により、植民地を手放して、植民地維持のコストがかからなくなったこと。膨大な軍事費が必要なくなったこと。多くの若者を徴兵制で1年間も軍事訓練に縛り付ける必要がなくなったこと。そんなことが戦後の経済発展に貢献したのだろう。

父は、軍隊の学校に行っており、終戦の年に卒業予定だった。もしも、卒業が一年早かったならば、戦死していた可能性が高い。父の見せてくれた同窓会の名簿には、父より一年早く卒業した人は戦死者が多い。そんな父は「戦争に負けて日本は民主化されて生活しやすい国になった」とよく言っていた。

私は70歳だが、生まれてから一回も日本は戦争に巻き込まれなかった。その点は非常にラッキーだったと思う。