2015-12-06
この2日ほど実家に戻ったりで長距離をドライブしていた。長距離をドライブするときは眠くならないようにする。一つは食事の時に食べ過ぎないこと。過食すると眠くなる。それからチューインガムをかむ。絶えずチューインガムをかんでいると何とか目を覚ましたまま運転することができる。
チューインガムをかんでいると、いつも美空ひばりの歌を思い出す。『東京キッド』である。歌詞の冒頭を示すと次のようである。
歌も楽しや、東京キッド
いきでおしゃれで ほがらかで
右のポッケにゃ夢がある
左のポッケにゃチューイングガム
本当はこの曲のYouTube を貼り付けたいのだが著作権の問題でできない。YouTubeに飛んで『東京キッド』で検索するといくつかヒットするので、この歌を味わってほしい。美空ひばりが小学生の頃から歌の天才であったことが分かる。
昭和のこの時代、戦争が終わって人々がようやく将来に目を向け始めた時代。感じるのは若さである。古い時代の歌詞であるが、不思議と若さを感じる。シニアの多くなった今の時代の方が自分はむしろ「古さ」を感じる。50年代や60年代はいい曲が多かったな。
そんなことを考えながら、70年代もいい曲があったなと思う。私の車はまだMDが聴ける。それで懐かしい70年代の曲を聴く。『シクラメンの香り』、とても美しい曲、布施明の声がシクラメンともよくマッチする。次の曲は曲名が分からない。「よこはま、よーこ、よこすか」と歌っている。歌詞は一つの物語となっていて面白い。「よーこ」という女性を追っかけ回している男の物語だ。
次の曲はなにやら、ふられた女性の話だ。「きのうもきょうも留守なんて」「あばよ、と言ってみる」とか、何とかと歌っている。昔20年ぐらい前に、CDを借りてきて、それをMDに録音したのだ。そのCDは40曲ぐらいあって、ドライブ中はだいたい繰り返し聴いている。曲名は知らないがすてきな曲がたくさんある。天地真理の「恋する夏の日」もその中に入っている。これはもちろん曲名は十分によく知っている。
この当時の曲はすばらしい曲が多い。メロディーも歌詞もすばらしい。現代の曲はなぜ単にうるさいだけの曲なのか。でも、今の若い人はこのうるさい曲を生涯愛する曲として感じるのだろう。いつの時代も人は青春時代の曲を生涯懐かしく感じるのである。
車を止めてしばらく歩く。両手をジャンバーのポケットに入れて、20分ほど冬空の下を歩く。左のポッケにはチューインガムを入れておく。右のポッケには、夢はあるか?ないな。60代の男に何か夢があるか。そう、もう夢を抱くような年齢ではなくなったのだ。