2016-04-27
テレビ朝日が埼玉で引きこもりの男性が衰弱死したというニュースを報じた。
22日、埼玉県戸田市のマンションの一室で、死後1カ月以上が経過し、痩せ細った男性の遺体が見つかりました。また、押し入れからは、ポリ袋で何重にも包まれた遺体が見つかりました。遺体はこの部屋に住む54歳の長男と85歳の母親とみられています。室内からは、将来を悲観した内容の遺書が見つかりました。警察によりますと、長男は無職で引きこもりがちだったということで、母親が死亡した後に生活できなくなり、衰弱死した可能性もあるとみて調べています。
推察するに、この男性は母親の年金を当てにして生活をしていたのだろう。そして、85歳の母親が亡くなると、54歳の長男は生活するだけの力がなくなる。54歳だから何とか職は見つかるだろうとも考えられるが、長いこと無職で引きこもりの人間の行動力は限られたものである。
逆に言うと、85歳の高齢者の年金は、息子を食べさせるだけに十分な金額であったことが分かる。私の父親と母親は私の代よりも、少なくとも月に10万円以上は多くもらっていた。父親は公務員を長く続けていたからであり、私のように転職を繰り返したのではない。父親の生活は手堅かったのであり、晩年は10年ほど晴耕雨読の生活をしていた。
田舎に住んで、椎茸の栽培をしたり、木工品を作ったりと趣味の楽しい生活をしていたように思えた。田舎の生活の問題は冠婚葬祭であろう。祝儀や不祝儀でたくさんのお金が飛んでいく。互いに相談して、一斉にこんな習慣はやめればいいのだが、そうもいかないようだ。
同僚の家族に不幸があった場合は、香典を出す。自分が会ったこともない同僚の親の葬儀に何故か出席してしまう。しかし、これは正直言って、まだゆとりがあるからできたのだろう。これからの時代は金銭的にタイトになっていく。真っ先に減らされるのは冠婚葬祭のお金だ。
さて、話が飛んだが、現代の日本で、親の年金で生活をしている無職・引きこもりは多いだろう。親が亡くなったら、それらの引きこもりはどうするのか。将来のことなど考えられないから引きこもりになったのだろうが、将来の生活設計が全く不可能である。
引きこもりになるのは、要は鬱状態だからだと思う。仕事をちょっとしても回りとうまく溶け込めない。人間関係を構築するのが、著しく下手である。不器用である。そんなことで、鬱→引きこもり、と推察される。
どうすれば、日本の至る所にいる「引きこもり」を部屋から出して、外で働かせるか。うーん、妙案はないのだ。