昨日はアメリカの大統領選挙が気になって、ネットで開票速報を見ていた。自分の予想はヒラリーが選ばれるだろう。トランプにどれくらい差をつけるのか、という点に関心があった。

しかし、事態は自分の予想とはまったく異なっていた。ネットの画面では、共和党支持の州は赤色で塗られ、民主党支持の州は青色で塗られている。最初から赤色が優勢で、トランプは必要な選挙人270名を午後には確保してしまった。

何でこんな結果になったのだろう。アメリカは産業が衰退しているので、今までアメリカの繁栄を支えてきた男性の白人労働者には不満が高まっているそうだ。彼らの「アメリカは国内のことに集中しろ、外国のことなど構うな」という声が、今回の大統領選挙の結果に現れたそうだ。

例えて言えば、次のようなところか。アメリカは町内会の会長を長らくやっていた。今までは、町内で揉め事があれば、駆けつけて双方を説得して事態収拾にあたった。近所に暴れ者がいれば、時にはゲンコツで制裁したりした。町内の運動会があれば、多額の寄付をして、さらには公民館の補修工事には自腹で修繕したりした。

しかし、町内会長の家は最近は家計が火の車だ。さらには、子供が登校拒否をおこしている。そんな時に、遅くまで町内のために飛び回っている旦那を見て、奥さんが癇癪を起こした。「あなた、いいかげんにしてよ、給料が下がっているのに、見栄でそんな大金を寄付するなんて!自分の子供が登校拒否をおこしているのに、近所の子供の心配などして、どうするの!」と叫んでいる。

今までは世話好きの町内会長も、奥さんの癇癪に恐れをなして、「町内会長の座は降りるし、これからは町内の揉め事は当事者同士で解決してくれ」ということだ。

アメリカがアジアから手を引いたら、そこに力の空白が生じる。長年支配していた権力が急に消えると、次に生じるのは平和な民主主義国家ではなくて、イラクやシリアのように権力闘争による混乱だ。

いずれにしせよ、中国の存在感がますます増大する。力の空白を埋めるのは中国しかない。なんだか激動の4年間が幕開けとなりそうだ。

日本の政治家たちよ、どうか、どうか、知恵を振り絞って、上手にこの情勢を乗り切ってくれ。

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