DVDを借りてきた。『復活の日』というタイトルのDVDである。ふとしたことから細菌兵器として開発したウイルスが世界中に広まり、人類が死に絶えてしまう。しかし、ウイルスは極寒の気温には活動停止となるので、南極観測隊の800名程が生き残る。彼らが人類復活のために頑張るというストーリーである。

復活の日

1980年に東宝で公開されたSF映画である。今から37年前の映画だ。ただただ懐かしい。俳優たちも皆若い(これは当たり前だが)。草刈正雄、渡瀬恒彦(既に物故)、森田健作、緒形拳(既に物故)、多岐川裕美などの豪華メンバーである。オリビア・ハッセーも出演している。

画面に登場する生活品も懐かしい。電話も黒電話である。映画では、当たり前だが、誰も携帯電話を使わない、その点も懐かしい。人々の髪型も40年前の懐かしい髪型だ。

さて、この映画の話だが、スケールの大きな話である。制作には膨大なお金がかかっただろうと推察する。南極での実際の撮影、潜水艦での撮影などがある。この時代はまだCG技術もないだろうから、建物が爆発するシーンでは、実際に建物も建設して、破壊するという方法しか撮影はできなかったろう。

制作費は25億円ということだが、自分としては結構少ないのだなと思う。最終的には、24億の配当収入のために最終的には赤字になったそうだ。

とにかく、スケールの大きな映画で、自分としては、世界中を自分も一緒になってハラハラしながら飛び回った気がした。結末だが、ある種の救いがあってよかった。

ところで、作者の小松左京だが、昔、何かの講演会で姿を見たことがあった。体の大きな人で、ファンが集まってサインをねだっていた。何年ぐらい前のことだったか。そんなことも思い出す。

また、この映画でノルウエー隊の女性隊員であるマリトをオリビア・ハッセーが演じている。オリビア・ハッセーは映画『ロミオとジュリエット』で知られることになった女優であるが、彼女はこの映画にも出演している。

オリビア・ハッセーは清楚で一途に尽くすというイメージだが(実際の彼女は知らない)、この映画でもそのイメージが十分に活用されている。

なお、彼女は布施明と10年ほど結婚していたのだが、結局は別れている。太平洋を越えた愛だが、日米間を行き来するだけでも大変な苦労だと思う。恋人同士が東京・大阪に別れていても交際を続けるのは大変なのに、太平洋を越えては大変なことだったと推察する。

などと、この『復活の日』を見ながら、当時、若かった俳優たちのことを思い出した。同時に、その頃の日本や世界を懐かしく感じたのであった。