2015-09-30

『日経ビジネス』9月14日号は「あなたに迫る老後ミゼラブル」という特集を組んでいる。これを読むと老後破産が構造的なものであり、個人の努力ではどうにもならないレベルであることが分かる。その最大の原因は少子高齢化である。世界で類を見ないスピードで進む高齢化が重く日本社会にのしかかる。

特集号の中に、三越で働いていたエリート社員がホームレスになる話がある。年収が1100万円の人でもホームレスになってしまうことがあるようだ。この人の場合は、親の介護のために、仕事を辞めて、年収が下がったこと。さらに親の葬儀と墓で850万円を使って貯金を大幅に減らしたこと、それ以降は仕事が見つからないで、何をしていいのかわからないで焦ってばかりいたこと。これらが事態を深刻にした。最終的にはアパートの家賃を滞納して追い出された。

こんな話が例外的では無くなるだろう。社会全体に嵐が襲いかかるのだ。膨大な数の老後破産者が生まれるであろう。そんな中で我々にできることがあるのか。こんな時代に買い物依存症や贅沢品の衝動買いを辞められない人間がいるとすれが、それは極めて危険な状況にあるといえよう。ホームレスへの道をまっしぐらということである。

今まで個人を守ってくれていた諸制度、年金制度、医療制度、生活保護制度などが崩壊と行かないまでも、厳しい状況に追い込まれるようだ。これらの制度が機能していない東南アジアの国の話などを聞くと、一旦健康を害したり、失業したりすると、とても悲惨なことになることが分かる。とにかく、個人が防衛していかなければならない。

どうやって健康を保ち貯金を減らさないようにしていくか。冠婚葬祭は思い切って全て義理を欠くこと、とにかく見栄をはることはやめることだ。ブランド品で身を飾ることは全く無駄と知ることだ。しかし、そんなことをした人生が楽しいかと言うと、それはまた別の問題になる。楽しみを他に見つけることだと思う。無料の金のかからない趣味を見つけることだ。

自分はあと1年半ほどで田舎に隠居する。そしたら、野菜畑や果物を育てることを趣味にしたい。基本的には一銭もお金を使わない予定なのだ。もちろん電気代や水道代は最小限は必要だが、それ以外は一銭も使わない予定である。冠婚葬祭も義理を欠く予定である。個人がそんな気持ちにならないと、この難局は乗り切っていけない。

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