Netflixで映画『何者』を見た。これは一度見たことがあり、こんどで2回目だ。1回目はあまりピーンとこなかったが、2回目はかなり内容に入ることができた。佐藤健が演じる主人公が就活をするが、なかなか就職先が見つからないでいる。友人たちは少しずつ就職先が見つかってゆくのだが、本人はまだまだ見つからない。本人はかなりクールな人格であり、就活に頑張る友人たちを冷ややかな目で見ている。そして、そのことをtwitter の裏のアカウントに書いている。皮肉たっぷりに書いているのだ。Schadenfreude というドイツ語がある。悪意を持った喜びということか。友人たちが就活に失敗している姿、せっかく就職してもそこはブラックな企業であることを発見して喜んでいたりする。
実は、主人公の友人である二階堂ふみも同じような性格をしているが、その彼女から徹底的に佐藤健の性格を批判される。この批判される場面が圧巻である。
視聴後の感想は、いくつかあるが、現代は就活も大変だなという感想だ。私の頃は、高度成長の時代で比較的に簡単に就職先が見つかった。いまは、低成長でせっかくに大企業に就職してもブラックな労働環境の可能性がある。
また、他者よりも自分がすぐれていることをアピールしなければならない。グループ討論などは私の時代にはなかった。また、一分間で自分自身を表現する、というようなアクロバット的な面接もなかった。面接で、自分が人よりも機転が利く、指導力がある、言葉選びにセンスがあるということを示さなければならない。これは大変だ。
SNSかなにかで企業側も学生側も膨大な情報を知る機会がある。知りすぎても必ずしもいいとは限らない。互いに知らないで、就職した昔の方が良かったようにも思える。
などと、自分が就活をしていた、古き良き時代、まだ就職活動が現代ほど厳しくない時代を思い出した。ただ、就活を通して「自分は何者か?」「自分の適性は何か?」というようなことを考えることは多い。これは昔も今も変わらないだろう。就職したら、忙しくて、そんなことを考える暇もなくなるかもしれない。