2016-03-04
ピアノの演奏だが、普通は両手で使った演奏する。またそのように想定されて演奏される。88の鍵があるが、同時に押せるのは両手で最大10鍵までである。曲を作る場合は人間の持つ肉体的な制約、つまり両手で、指の届く範囲の鍵を最大限10鍵まで押すことができるという制約の下で作られたのである。
鍵を押す場合は連続性が出てくる。指を動かすのであるから、一挙に遠くまで飛ばすわけにはいかない。指の届く範囲で徐々に移動していく。しかし、逆に言うとそれが制約になるのだ。
コンピュータ時代の今だが、機械的に処理して、人間の手では届かない4つの音や20個の音を同時に鳴り響かせたりしたら、どうなるのであろうか。それは雑音であり、和音の組み合わせでないと人間の耳は美しいと感じることはできないのか。などと、今、疑問に思っているのだ。
などと、音楽については無知が自分がちょっとした所感を述べてみた。先日、辻井伸行さんの幼児期の演奏をYouTube で見つけたことを語った。今度は彼の11歳の時の練習風景をYouTubeで見つけてみた。先生(お父さんか?)がまず弾いてみる。そしたら、それを即座に暗記して同じように弾いてみる。右手と左手を別々に聞いた後、こんどは両手で演奏して、その曲を再現する。たしかに、天才だなと感じてしまう。
これは感動の画像である。視覚障害というハンディを乗り越えて世界的なピアニストになったのである。もちろん天才的な才能があるが、幼児と少年という時期から絶え間ない練習と、視覚障害であるがゆえに聴覚に集中していった感覚が研ぎ澄まされたことも挙げられるであろう。