ショーンKと『砂の器』
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2016-03-21

松本清張の『砂の器』のストーリーがショーンKと重なるという指摘がネットで時々見られる。

『砂の器』のあらすじはあまりにも有名である。ハンセン病を患った男が村を追い出されていく。その当時はハンセン氏病は伝染性の強い病気として人々に恐れられ、故郷であっても、そこに住むことはできなかったのだ。自分の息子を連れて父子は故郷の村から巡礼の旅に出る。

やがて、父子は別れる。少年はある村の駐在所の巡査(三木謙一)に助けられ、そこでしばらくはお世話になる。その少年は大阪に出てそこで働く。大阪の大空襲の時に、区役所の記録が焼けてしまったが、その機会を利用して、新しい戸籍をつくり、和賀英良という名前を得る。

そして和賀英良という名前で新進音楽家として有名になっていく。しかし、自分の過去を知る巡査の三木謙一が彼を訪ねて東京に来る。自分の過去を知っている男を恐れて和賀英良は、自分がお世話になったこの巡査を殺す。やがて、その殺人事件の全貌が次第に明らかになってクライマックスへ向かって行くのだ。

野村芳太郎監督による映画は大変な感動であった。あのテーマ曲『宿命』とさまよう親子のシーンは忘れられない。

ショーンKは、熊本出身で大阪へそして外国へと旅に出る。そして、やがては新たなアイデンティティを得て、そして次第に社会的な名声を得て、一つずつ階段を上っていく。そして、ある報道番組のメインキャスターとして抜擢されそうな時に、『週刊文春』のあの記事が現れる。

自分には、巡査(三木謙一)と週刊文春がダブって見える。

忘れ去ろうとした過去が突然、思いがけない形で現れる。その過去は主人公を絶望の淵へと引きずり込むのだ。話が変わるが、『ゼロの焦点』も似たような話である。ある女性が自分の過去を知る元巡査を殺すという設定だ。

人間には何か黒歴史がある。その黒歴史が突然、過去からよみがえり、その人に襲いかかる。恐ろしいことだ。

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