知人の奥さんが癌になった。現在の年齢は、72歳になったばかりだ。半年ほど前から、体調が悪くて、また胸にしこりがあるような気がしたので、医者に行ったら、乳がんであり、かなり進行しているという診断を受けた、そうだ。

最近は乳がんの判断を受けても結構長生きをする人が多い。自分の別の知人の女性だが、40歳代に乳がんの判断を受けて、でも早期ガンだったので、それから10年以上も何とか生きてきた。数年前に亡くなった。

72歳の知人の奥さんは、乳癌とわかってからは、医者の勧めで化学療法を受けて、さらに患部切断として乳部を切り取った。しかし、すでに体のいろいろな部分に転移しており、さらに化学療法のために、内臓がかなり弱くなっていて、本人もつらそうであった。

今は入院中であるが、立ったり座ったりすることが痛いので寝たきりになっている。見舞った人の話だと、知人の奥さんは足が浮腫(むく)んでいるそうだ。足が浮腫むのは腎臓が機能しなくなり、尿を十分に排出できないので、尿がたまるからだと聞いたことがある。

知人の奥さんの親戚の人に対して、医者は「心の準備をしておいて下さい」と言われたそうだ。家内は一回は病院を見舞いに行きたいと行っているが、なにせ、こちらは遠地に住んでいるし、子供の世話もあり、時間的な余裕もなかなかない。


ある一定の年齢に達すると、知人、友人たちの病気や訃報を聞くことが増えてきた。最後は自分の番なのであるが、そんなことを考えると、気持ちも沈んでしまう。

自分が癌になったら、と考えることもある。癌保険に入っておきたいと思う。保険に入っていればある程度の水準以上の治療は受けられるのだと思う。ただ、自分の場合は、癌だけではなくて、脳卒中や脳梗塞、糖尿病、などたくさんの病気の可能性がある。この年だと、何が起こるか予測がつかないのだ。癌だけの可能性だと分かっていると保険に入りやすいのだが、他の病気になるかもしれないと思うと、一種類だけの病気しかカバーしない保険には入りづらい。

さて、ただ、ただ、怖いと思うだけである。そんな恐ろしい話は聞かないで、楽しい話だけを聞いていたいと思う。

037_01e