「ゲス不倫」が2016年の流行語大賞のベストテンに選ばれた。そして、『週刊文春』の編集部の記者が会場に来て表彰式に登場した。記者は顔が知られるのは今後の張り込みに差し支えがあるから、とマスクをかぶって登壇した。livedoor news によれば、以下のようである。
ゲス不倫」がトップテンに選ばれたことを受け、この日の発表・表彰式には「週刊文春」編集部の記者がマスクを着けて登壇した。マスクは、人気フラッシュアニメ「秘密結社 鷹の爪」と週刊文春がコラボした新キャラ「文春(ふみはる)くん」のものだという。記者は「どうも、あの…僕も記者をしております。(マスクは)公式キャラの文春です。なぜ、こういう格好をしているかというと、張り込み記者で、今後の張り込みに影響が出るので」とマスク着用の理由を説明した。
今年は週刊文春がスクープを連発した年であった。スクープの対象になった人にとっては嫌な年であったろう。とにかく、有名人にとってはプライバシーを守るという点では大変な時代になったと思う。
芸能界は我々にとっては、よく知らない聖域であった。その聖域も最近は簡単にのぞき見ることができるようになった。一般のファンと芸能人との距離を縮めようと握手会などが企画される。一般からのオーディションがあり、一般人も芸能界に入れる可能性が増えた。芸能界に入れば、富と名声と異性からの愛情も思うがままだと考えられる。
芸能界は我々には向こう側にある聖域だったのが、次第に露わになってきた。毎日テレビのワイドショーでは芸能人の話題で持ちきりであり、その動向が逐一報道される。人々はもっともっと知りたいと思う。
そんな世界にカメラマンの目が入り込んでスクープを狙うのだ。今年「ゲス不倫」をした人は山ほどいただろうが、たまたま文春に見つかった人たちが、大きく書き立てられる。まあ、道路交通法違反で警察に捕まったようなものだろう。
プライバシーの侵害が頻繁になってきた。スマホを持っている一般人が何かあればカメラマンになり得るのだ。このような侵害から身を守るために、個人情報を守ることが大切さと言われるようになってきたが、文春の察知能力はますます高度化していく。
週刊文春はますます有名人のプライバシーに入り込もうとする。有名人のプライバシーを暴くのが週刊誌の役目になった。特に不倫は読者にとって非常に興味なる話題である。たしかに品性には欠けるのだが。
週刊誌が悪いのではない。週刊誌も売り上げを伸ばし、記者たちも生活費を稼がなければならない。要はそのような情報を求める我々の欲望に対して週刊誌が応えているだけだ。