〇
今週号の『週刊文春』は「小出恵介を抹殺した「17歳少女」の告白」という記事がある。かなり大きな見出しである。ネットで情報がたくさん流れているので、内容はだいたい見当がつく。読者が全く知らない、新しい情報が書かれているのではなさそうだ
自分の関心事はこれくらいの記事だと雑誌社からいくら謝礼がもらえるのか、ということである。一番初めの出来事は『フライディー』に垂れ込んである。これはたくさんお金をもらえたろう。
今回の文春の記事は、その後、小出恵介から謝罪で会いたいとの連絡があり、そこでの出来事の報告である。最初の記事と比べると鮮度は減るのだが、それでもどのように謝罪が行われたのか知りたいと思う読者は多いだろう。それゆえに、かなりの売り上げが見込める記事である。
いくらだろうか?今回のインタビューで17歳の少女が手にした金額は100万円ぐらいではないか。ちょっと少くなすぎるか。200万ぐらいか。
有名人の講演などは一回が50万から100万ぐらいと聞く。今回は渦中の人とのインタビューだから、100万だろうと見当をつける。
私の子どもが昔テレビ局から取材を受けたことがあった。その関係で私たち家族全員もテレビに登場した。テレビ局の人が我が家に来て5~6数時間も取材していった。テレビに出たのは5分ぐらいであったが、5分のために数時間も取材するのかと感心した。その時に謝礼として5万円をもらった。
その5万円は何に使ったか。家族でレストラン数回食事して楽しんだ。そして、たくさんの知人や友人から、テレビを見たと連絡を受けて驚いた。テレビの影響力は大変なものがある。
小出恵介と17歳の少女の補償金の交渉の様子が『週刊文春』という強力な媒体に載れば、この内容は日本全土に拡散してしまう。小出恵介の評判はますます悪化してしまう。
でも17歳の少女も結局は自分の個人情報をさらすことになる。現に彼女の家族の個人情報はネットに広まっている。日本全国に知られるようになると、これはのんびりと生活するのは難しくなる。
私の知っているある会社にスキャンダルがあった。そのスキャンダルに対して内部告発があった。内容を克明に記した手紙が雑誌社に投稿されたのだ。その雑誌社は小さな会社で、三流雑誌と言ってもいいだろう。そこの編集部(と言っても社員は2,3名)から、会社にコンタクトしてきた。
編集担当の社員の言い分は、「このような内容の手紙を受け取った。その内容は本当だろうか。次号の雑誌に掲載したい。しかし、もしも内容掲載を差し止めてほしいならば、取材協力費として300万円をいただきたい」であった。取材協力費という名の恐喝である。
その会社の社長は取材協力費300万の支払いを拒み、その結果、次号の雑誌に「~のスキャンダル」と大きな記事で公表された。それはかなりのダメージをその会社に与えた。
私が社長だったらどうしたか。やはり払わなかったろう。会社を運営していく上で、このような恐喝は次から次と起こりうるもので、応じていたらきりがないからである。ダメージは受け止めていくしかないだろう。
小出恵介もお金の要求を受けたら、その時点で解決策はないと断念すべきだったのだ。一回でも応じたら、次から次と金銭の要求は繰り返されて、ついには泥沼に入るのだ。
そんな風に自分は考える。