小保方晴子さんの『あの日』を読む。
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2016-02-12

昨日、小保方さんの『あの日』を読んでみた。本屋さんでベストセラー第2位と本棚に並べてあった。理科系の本なので、文系出身の自分に読めるかなと手にしたところ、面白そうだったので早速購入してみた。

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STAP細胞というあの騒ぎは一体全体何だったのか。小保方さんという当事者の目から語ったものであり、その意味では公平な記述とならないのは仕方がない。さて、私の文系の頭で理解したことは次のようなことだ。

このような大掛かりな実験は個人で行えるものではなくて、何十人もの人がチームワークを組んで行うものである。それもグループに分かれて、互いに情報や実験結果をスケジュールに従って行うのである。肝心のSTAP細胞の発生に関与したのは若山照彦教授のグループなのであり、その若山教授から発生に成功したという報告を受けて、小保方さんは各グループの成果をまとめて、『ネイチャー』に投稿した。そして受理されたそうだ。ただ、肝心の発生の部分の実験には直接は関与していない。

ネイチャーで発表になってから大騒ぎになったが、論文の画像の部分で不注意が若干あり、その点を指摘されてからねつ造でないかとの疑いが生まれてきた。それとともに、肝心の若山教授が知らないと言い出して、自分だけがバッシングをつけることになった。その点が不満である。

小保方さんのような若い人がこんな大事な実験の指導者という点は不思議に思っていたが、実際は年配の教授たちが若い小保方さんに花を持たせてやろうと彼女を祭り上げたが、偽造疑惑が生まれてから、みんな腰が引けてしまった。そのために、小保方さんだけで孤立して、一人で諮問委員会やマスコミの矢面に立たされている。

この本の前半は科学の世界、特にアメリカの自由に研究が行われる世界の様子が分かって興味深かった。若い女性研究者が活躍の機会を与えられて張り切っている姿が見える。後半はマスコミからのバッシングの嵐で読んでいて苦しくなった。この本を読んだ限りでは、若い有能な女性研究者をマスコミがつぶしてしまった。さらに体面を重んじる理研と早稲田大学が彼女に何ら弁明の機会を十分に与えずに葬り去ったという印象を受ける。

また、本人が書くわけだらからどうしても自己弁明の本になるだろう。この本の中で小保方さんが攻撃をしていた毎日新聞の須田桃子記者が書いた『捏造の科学者 STAP細胞事件』(文藝春秋社)があるようだ。その本も読んで見ることにする。すると、バランスが取れた見方ができるだろう。