2015-09-24

医者の友人の話を先日紹介した。少々付け加えたい。この友人は自分でもかなりの病気を抱えているそうだ。まず糖尿病である。薬を4種類ぐらい用意して、血糖値を計りながらこの薬あの薬と処方しているという。自分を実験台にして薬の効き目を試していると笑っていた。一時期は血糖値は180ぐらいあったそうだが、いまは110ぐらいに落ち着いているという。

また、片目の血管がきれて眼の視力が悪化したそうだ。これ以上広がらないようにレーザーで血管を焼いてもらったそうだ。すると血が固まり、病状の進展を食い止められる。白内障、緑内障などいくつかの眼病が複合しており、下手をしたら片目は失明したかもしれないという。

むかし、患者からC型肝炎を移されて大変だっと話もしてくれた。休業したのかどうかは聞かなかったが、ただ近年は薬の発達がめざましくて、新薬のおかげでC型肝炎は完治したという。医者は患者から病気をもらう可能性があるから、これが怖いなと思った。

自分の病院の話をしてくれたが、厚労省の締め付けが厳しくて、つまり医療費の抑制というどうしても避けられない課題に直面している。患者を入院させるのではなくて、自宅で面倒を見るようにとの方向である。そのためにたくさんの病院が将来は経営困難になるだろうという。彼の病院もそうなると覚悟している。

ところで、介護は在宅介護で行えという厚労省の指示があるという。胃瘻や痰の吸引を家族が行うとなると、家族は休職か退職をせざるを得なくなる。アメリカでは、一時期は胃瘻が行われたが、いまでは自力で食事が出来なくなったら、その人の寿命が来たと考えて無理な延命治療は行わないという。日本でもいずれはその方向に行くのではというのが彼の考えであった。

彼はそろそろ引退を考えている。とにかく忙しいという。患者は次から次ときて、診断する。自分の人生の残り時間が少なくなったので、ある程度は体が動くうちに人生を楽しみたいという考えだ。東京にある自宅は売りはらい、長野にある別荘に本拠を移したいという。

長野は自然に恵まれて、野菜や果物も豊富である。私が長年東京に住んできた人間がそんな田舎に行って適応できるかと問いかけたら、彼は元々はアウトドアー派だという。それで高校時代は山岳部にも入っていた。長野に移ることは長年の夢が叶うことでもある。

彼は夢を語ったが、奥さんがOKと言うかどうかが問題だろう。何れにしても長年働きづめの彼もそろそろ体を休める時が来ている。ストレスから解放された引退生活を楽しんでほしい。

photo credit: 14/08/2011 OTORGA HOSPITAL DE NIÑEZ OAXAQUEÑA, ATENCIÓN MÉDICA INTEGRAL2 via photopin (license)
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