2015-11-22

先日、有名な某週刊誌を購入して電車の中で読んでみた。「茂木元経産相秘書官が豪華香港旅行接待を受けていた」と書いてある。そして、茂木元大臣の顔写真が載っている。そんなことで、一瞬、「茂木元経産相自身が旅行接待を受けていた」という印象を受けてしまった。

詳しく読むと、要はたくさんいる秘書官のうちの二人がある業者から接待を受けていたという疑惑であり、その見返りに秘書官は口利きをしてもらっていたというのである。

秘書官の名前は茂木義之氏とのこと、名前は偶然ふたりとも「茂木」で同じだが、大臣と親戚関係にはないようだ。

問題はタイトルのつけ方である。これはおかしいと思う。「茂木義之氏(茂木元経産省の秘書官)が豪華香港旅行接待を受けていた」と書くべきではないのか。大臣の名前を前面に出したほうが週刊誌の売れ行きがいいだろうとの計算だろうが。

これは2013年10月の出来事、2年ぐらい前の話である。最近、業者と秘書官には何らかのトラブルがあって、業者が仕返しに、週刊誌に接触を図り、この話を売り込んだのだろう。業者の名前が出てこない点がそのことの傍証となる。

ゴシップ雑誌に売り込みをする人は多いだろう。恨みを晴らしたい元恋人や、金に困っている元愛人、見返りのなかった業者たちからの情報の売り込みが多いだろう。

この週刊誌はやたらと色々な噂をばらまいている。各記事やコラムは1ページか2ページほどである。ほとんどが内容が薄っぺらで、「~のようだ」「~とも聞く」と不確かな情報を無理やり膨らませて、何とか記事に仕立て上げている感じだ。

そもそも、週刊誌の記者がインタビューを申し込んでも多くの著名人は警戒して断るのではないか。記者は提灯記事を書いても雑誌は売れないので、著名人から失言を引き出してそれを飯の種にしようとしているのを著名人たちは知っているので。

記者とかカメラマンの商売も因果な商売だと思う。著名人の不倫の現場を見つけて記事にしようと、ラブホテルの前で何時間もじっと待っている。寒空の中、何とか写真を撮ろうとする。スクープ記事が取れれば、会社からは報奨金がでて自分の株も上がる。

そして、あとはセンセーショナルなタイトルを付けるのである。読者たちは記事のタイトルとその中身の格差に驚くことが多い。ど派手なタイトルでありながら、その内容は貧弱でまた聞きのまた聞きで根拠が薄いことが多い。こんな風に記事を仕上げないと記事がそろわないのか。

週刊誌の将来はどうであろうか。週刊誌の電子版も出版されつつある。現在はネットがあり、それでいろいろな噂話を知ることができる。そのようなネットと競合するわけであるから、これは大変だという感じもする。紙媒体の情報誌がどれだけネットに対抗できるのか。そんなことで、電子版の登場と相成ったのである。

最近は電車の中でも多くの人がスマホで何かを読んでいる。昔は、電車の中では、週刊誌、新聞、文庫本が読まれていたのだが、近ごろはすっかり情景が変わった。あと20年もしたら、また変化するのか。

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